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不条理
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わざわざそんな事聞くために真夜中に
電話掛けてきたの?
一体どこで聞きつけた来たんだか
相変わらず、情報早いね……
「ソレ、君に話さなきゃいけないこと?」
すると今度は声色のトーンが
一気に下がった。
『質問に答えろ、行ったのか?』
「…………」
あからさまな怒気を孕んでいる言い方に
俺は溜息を付いた。
「随分回りくどい言い方をするね?
寝たよ、そういえば満足?」
電話の向こうが再び無言になった。
耳が痛くなるような錯覚を
覚えるほどの沈黙。
「俺がこういう人間って知ってるよね?
俺は男に落ないとも言ったはずだ」
「――アンタ、本当に誰とでも寝るんだな」
「必要とあればホストまがいの
事くらいするよ、失望した?」
執着してもらえるような人間じゃないよ、
まだ分からない?
「そうやって今までも仕事上でも女と――」
「だったら、何?」
元々君の輝ける人生に俺という存在は
イレギュラーなんだ。
「ねぇ?単なる“ゲーム”だろ、コレ。
そんなにムキになってどうするの?
ゲームと銘を打ったのは君のくせに
その動揺は何?話にならないよ」
突き放すのが俺に出来る唯一の役目。
『……じゃ、それ以外に
何て言えば良かったんだ?』
これ以上俺なんかに振り回されてる
君を見たくないんだ。
『ゲームは続ける。
勝手に降りることは許さない』
その言葉で電話は切れてしまった。
「俺だって――」
バン!!!!
暗闇に放り投げたケータイが
何処かにあたったようで派手な音を立てた。
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