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お大事に
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「じゃ後はこちらに任せて頂けますか?」
「ハイ。お願いします。
あ!スミマセンそれと後いくつか
確認したいことがあるんですが」
「……え?ええ、勿論どうぞ」
お、珍しく千葉さんが固まった。
話はこれで終わると思って立ち上がった所
だったから無理もない。
僕は兎も角、さっきの電話を聞くとは
なしに聞いていた限り、恐らくは
今日彼女の誕生日みたいだった。
そりゃ行かないと……ね。
「石川君申し訳ないんだけど、
千葉、昼から具合悪くて僕じゃ
分からないことがあったから無理やり
連れてきたんだけど、やっぱ調子悪いみたい
病院に行ってもらうと思ってるんだ。
僕だけじゃダメかな?」
「申し訳ありません!気が付かなくて!
病院に行って下さい!桐江さんは
まだ大丈夫なんですか?」
目配せをして千葉さんを抱えるように
立ち上げさせた。
「うん、すぐ戻るからね。
じゃ行きましょうか?
千葉さんスミマセン具合悪いのに
助かりました。外まで送りますね」
ワザと聞こえるよう千葉さんを
連れ立って外へと向かっていく。
「ス、スミマセン、お言葉に甘えて
病院に行かさせてもらいます」
「桐江、恩に着る」
「いえいえ、お大事に」
千葉さんの走って行く後ろ姿が
微笑ましい。
いつも冷静な千葉さんが……
大事なんだろうな彼女の事。
大事だから冷静ではいられない――か。
一度も味わったことがないな、そいうの。
単に冷めてるだけか、それとも
そんな相手に会えてないからなのか……
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