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アイツは貴方だけ
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「変わったでしょう?アイツ。
学者の道を切ったのも女関係も
善し悪しは別として起点は
全部貴方だと思います」
「…………」
「誤解しないで下さいね、
責めてるつもりは毛頭ありません。
判断してそうしてるのは本人の自由であり
責任ですから」
真面目な顔つきで僕に話す石川君、もとい
零クンに俺なりに応えたいと思っている。
「学者やっぱりやめたんだ、何でかな?」
「研究所に篭もりっきりになると
貴方に会えなくなるからですよ。
同じ理由で、会社も起こしたんです、
自分で社長になれば自由が効くとでも
思ったんでしょうね」
周りの雑音をBGMのように耳を掠めながら
ゆっくり話す零クンの声だけが
僕の耳に届く。
「誤算はここまで話題になり忙しくなると
思ってなかった点ですね。
アイツ中々こっちに来れないから
内心イライラしてると思います」
それであの電話か……それなのに
僕はあんな言い方を。
いや、アレはアレで良かったんだ。
期待させるほうが酷というものだ。
「女と遊び始めた時、正直
桐江さんの事吹っ切れたのかと
安心してたんですけど実は全然逆で。
多分アイツなりに貴方に近づき
たくてやってたんだと
今だからわかるんです。
変わっていないのは、
本気でずっと貴方一筋な所だけ」
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