アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
言えないけど
-
「あ、スミマセンちょっと席を外して
良いでしょうか?」
「どうぞ」
零クンはそのまま外に小走りに出て行くと
暫くしてまた戻ってきた。
「どうかした?」
「いえ……その……」
「はぁぁ」
何度目だろうこの溜息。
現在、僕は某ホテルのロビーにいる。
見覚えありまくり光景にデジャブの嵐の中
さっきまでの零クンの話を反芻しながら
もう一度、深い溜息をついた。
『あの……すみません桐江さん、
四堂が空港に着いたと連絡が入って』
『え?暫くは来日できないんじゃ
なかった?』
『ええ――来れないはずなんですけどね。
スケジュールどう調整つけたのか……
聞いても答えようともしないし。
全く、何考えてるんだ?四堂は』
『何か問題でもあったとか』
零クンは急に何故か押し黙ってしまった。
『多分……いえ、きっとですけど
俺の所為かもしれない』
『??』
『最近、四堂から連絡来ました?』
『え?ああ、うん』
例のあの真夜中に。
それ以来プッツリ来てないけど。
『何か言ってました?奴』
『いや特には』
言えないよ、君に。
あの内容はちょっと……ね。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
73 / 188