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密告者
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『……そうですか、俺はてっきり
貴方に色々困ること言ってきたんじゃ
ないかと思って。
今日そのお詫びもしなければと
桐江さんに残って貰いたかったんです』
何のことだろうか?
零クンの言おうとしてる先が見えない。
『どうかしたの?』
『……何日か前にとあるホテルで
女の人と会っていませんでしたか?』
何でそれを―――まさか?
『俺、偶然兄とそこで待ち合わせしてて』
成程、そういう事だったんだ。
零クンが悪いわけじゃないのに
済まなさそうに頭を垂れている姿が
やっぱり飼い主に叱られた犬の様に
ションボリしていて、それ以上
追求する気にはならなかった。
『四堂が言うには、いま桐江さんと
会ってるなら伝えて欲しいと――』
――で、待ち合わせとして
指定されたのが、あのホテル。
何を言われるんだろうか?
もしかして浮気したとでも
怒鳴るつもりかな?
有り得ないな、僕達はそんな間柄じゃないし
そんなこと言われる筋合いもない。
四堂君がそうくるならこっちも
言い返すまで。
そう心に強い決意をした頃、
「お待たせしました」
と、背後から声を掛けられた。
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