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用意周到だね
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「フゥ……」
ベッドに仰向けになってシーツを指先でなぞる。
僕、今から君と此処で“寝る”のか?
実感がまるで湧かない―――。
カシャと氷の溶ける音に用意されている
シャンパンを思い出す。
重い体を起こして何気なく
手にしたボトルの銘柄を見た。
(サロンか……渋いな)
ここはこだわりが強く、
当たり年しか作らない上、生産本数も
少ないから中々手に入らない一品だ。
「!?」
この年号は……僕の生まれ年?
―――参ったな。
ソツがないね、ホント君は。
僕は酒の中で取り分け
一番シャンパンが好きで
多分それも四堂君はどこからか
情報を得てのことだろう。
待っている間、グラスにシャンパンを注ぎ
その芳醇な香りと色に魅せられ、
一口くちにした。
「……美味い」
以前飲んだドン・ペリより酸味が強く
僕的には断然こっちの方が好みだ。
ついつい美味しくて、数杯口にしてしまい
ここ数日の疲れも伴って
いつしか不覚にも記憶が
薄らんでいってしまった。
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