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煙草
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「色男はどっちだか、結婚おめでとう」
鈴木はデキ婚なんだよーとか
照れ笑いをしつつ、ありがとうと零した。
「結婚とか全然考えたことも
ないけど、鈴木がねぇ。パパ?
ヘマしたな、お前」
石川のからかいに岡本が笑い、
鈴木がうるさいと怒鳴るのを眺めていた。
懐かしい。
当時もこんな調子でよくつるんでたよな。
仕事仲間と飲む機会はあっても
色んな思い出を共有してきた仲間とは
やっぱり違う。
何も考えず馬鹿が言える関係って
社会人になってからはそうそう築きにくい。
下らない事で笑えるって良い。
利害関係も何もなくて思い出だけで
酒がすすむ。
結局、会は話が尽きることなく
終電近くまで大盛り上がりしてしまって
今度、結婚式の招待状送るからとの
鈴木の言葉でようやくお開きとなった。
鈴木らを見送った後、飲み直しと称して
石川と僕は別の店へと移動した。
「来て良かったろ?」
「うん……まぁね」
石川は自分の懐のポケット探っていたかと
思うと何かを思い当たったように頭を掻く。
「……煙草やめたの?」
「あ?ああ。零一が味が苦手とか
言うからな」
「ふーん。零クンが……」
……味?
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