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巻き込むな
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「石川、お前酔ってるのか?」
「まっさか。
俺が酒一滴も飲めないの知ってんだろ?」
確かにこの男が酒を飲んでる姿は
見たことがない。
さっきだってガンガン飲んでる僕たちを
尻目に石川だけがウーロン茶を頼んでいた。
だけど、そう疑いたくなる程
今日の言い方は変だ。
「―――何の思惑があるかは聞かないし、
俺を利用するのも別に構わない。
ただし、もうこれ以上四堂君を
巻き込むのは例えお前でも許さないから。
もしそれでもというならお前とはこれまでだ」
明らかに石川は僕を、俺達を
別の何かのダシに使おうとしてる。
だけど僕の言葉を聞いて
石川はこともあろうか笑い出した。
「へぇぇ、驚いた。
お前でもそんな風に言うんだな、怖い怖い。
なんだかんだ言いながら結構お前も
あの子にどっぷりハマっちゃってんじゃないの?」
「………話にならない、帰るよ」
「お前こそ手をこまねいてる場合か
良く考えたらどうだ?
という訳で連絡待ってるぜ?桐ちゃん」
終始フザけた態度を取る石川を
見限って僕は店を後にした。
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