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月夜の下で
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ずっと引っ掛かっていた。
その態度、その言葉の端々が。
全てを否定しているわけじゃない、
ただ、どうしても自分の記憶の中に
ズレがあって、思い過ごしだと
何度も消そうと試みはした。
でも
そう考えると思い外、符合する事が
多くて……
一度は取り出したケータイを再びポケットにしまいこんだ。
……だとして、何も変わりはしない。
それだけの事だ。
「寒いのに馬鹿だな、君は」
彼の帰国前日の今夜もまた僕達は月明かりの下にいた。
「こうでもしないと
中々会ってくれませんからね」
お互いの息が白い。
明日初雪になるかもしれないという
天気予報はどうやら当たりそうだ。
「向こうに戻るの明後日だっけ?
寂しくなるね」
「…………フッ」
「四堂君?」
「……それでも部屋で話そうとは
ならないんだと思って」
「…………」
「俺が怖いですか?」
「全然。それはないかな」
「でも家へは上げれない、と」
「君が僕を友達としてみてくれるなら
いくらでも家に招く」
「やっぱりそういう意味じゃないですか」
「違う。
随分甘く見られてるみたいだけど
腕力でどうかされる程、僕弱くないよ」
問題はそこじゃない。
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