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夏休みの前に
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「はぁ.....」
僕は朝からため息をついていた
机に突っ伏してうだうだとしていると由希也くんが登校してきた
「おはよ!...どうしたの?浮かない顔して」
そうなのだ...僕は今日、非常に憂鬱であった
「じつは...」
朝、登校すると担任の先生が僕を呼び止めた
もうすぐある体育大会の役員決めをホームルームで決めるように言ってきたのだ
クラス委員が率先して誰か役員を2名決めるようにとのこと
こんなの誰もやりたがらないよ
僕が決めなきゃならないなんて......絶対無理だ...
「あらら...クラス委員って大変だね...」
由希也くんは僕の肩に手をおいた
「がんばってね!」
そう言われたけどできる気がしないよ....
キーーーーンコーーーン
そうしていると大きなチャイムが鳴り、担任の先生が入ってきた
「おはよーー!みんな!」
大きな声であいさつすると、みんな口々に挨拶を返した
「えーっと!今日は初めに今度の体育大会の実行委員を決めるぞ!」
先生が大きな声で言うとみんな一気に不満を爆発させえた
「えーーー!!めんどくさい!」
「それってなにやるの!?」
そんな風に口々に言い始めた
「じゃあ!クラス委員!佐藤!頼むぞ!!」
来た!!
ついに来ちゃったよ!!
「は....はいっ!」
僕が嫌々、席を立って前に行こうとするとき、由希也くんは小声で「がんばって!」と声をかけた
はぁ.....そんな役回りだ
そもそも人前たつのも嫌なのにクラス委員長なんて押し付けられて、こんな事しなきゃならないなんて
そう思いながら僕はみんなに呼びかける
「えっと.....あのクラスから二人決めないといけないんですけど...誰か立候補はいませんか?」
みんなざわざわと話しながら僕と目が合わないようにしている
そりゃそうだよね...誰だってやりたくないよ....
ええと...ど...どうしよう...
僕はあたふたとなって次の方法を考える
するとどこからか声がした
「つーかだるくね!?委員長!お前がやればいいじゃん!」
みんなが一斉に声のする方をみる
それを言ったのはクラスメイトの加藤くんだった
加藤くんはうちのクラスの中でちょっとやんちゃな感じで僕はちょっと苦手だ
みんなもどこかあんまり逆らえないように思っている気がする
「お前でいーじゃん!はい!決まり!みんなもそれでいい??」
そう強く呼びかけるとみんなホッとしたような顔で賛同し始める
「えっ!ちょっと待ってよ!!」
僕はみんなに呼びかける
どうしよう
困るよ
クラス委員の仕事もあるし委員会だってあるんだから
「いーじゃん!!佐藤君ならできるよ!」
「そうだ!そうだ!さすが委員長!」
そんな風に言ってはやし立てる
どうしよう
また押し切られちゃうよ...
「みんな..まって...」
涙目になりながら僕はみんなに言う
けれど一度騒ぎ出したクラスメイト達の声にかき消されていく
その時だった
ガタン!
騒いでいる中、一人立ち上がり手をあげる
「あ...由希也くん」
急に立ち上がる彼ははっきりとみんなに聞こえる声でこういった
「佐藤くんはクラス委員をやっているのでやめてあげたほうがいいと思います!」
教室は一瞬にして静かになった
由希也くんが....言ってくれた
僕はびっくりして呆けたように突っ立ていると彼は僕に向かっていった
「佐藤くん?できないならはっきりいわないと」
そう言われてはっとした
そうだ!
ちゃんと言わないと....
「あ...あの..できれば..僕以外でお願いします、、」
僕はおそるおそる言った
すると、加藤くんが由希也くんに声を荒げた
「はぁ?柏木!決まりかけたんだから余計なことすんなよ!役員なんてちょっとやればいいだけだろ!?」
僕もほかのクラスメイトも何も言えなかった
でも由希也くんは何も臆することなく、むしろ笑顔でいった
「ちょっとって思うなら君がやればいいんじゃない?」
彼はみんなが怖がって何も言えない加藤くんに平然という
するとどこからともなく由希也くんに賛同するように、そうだそうだ!
と僕を役員から外すように教室の空気が変わった
そのうち加藤くんんやればいい!なんて声が聞こえてきて一気に形勢逆転してしまった
加藤くんはその状況にイライラしながら由希也くんをにらんでる
すると由希也くんはまたみんなに聞こえる声でその騒ぎを落ち着かせるように言った
「...って,このまま加藤くんになっちゃうのも違うと思うので恨みっこなしのくじ引きを提案します!」
ニコッと笑って座りなおした
鮮やかにクラスの雰囲気を変える彼にみんなあっけにとられていたが、しばらくして誰ともなく拍手がおきた
その後、彼の言ったとおりのくじ引きになり、僕も由希也くんもそして、加藤くんも役員からは外れることができた
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