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歩と由紀也
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「由希也くん...」
僕は立ち上がり、泣きじゃくる彼の隣に座る
ベットが体の重みでギシっと音を立てた
「先生だけだと思ってたのに...君の事好きになってこっちに引きずりこんだ...本当にごめん」
そんな風に泣く彼に僕が言えることはなんだろう
いつも大人に見えていた彼も所詮は僕と同じ15歳なんだ
ずっと心に重石をかかえていたのに、誰にも言えなかったはずなんだ
僕になにができるかなんてわからない
だけど、助けてあげたい
そばにいてあげたい
別れるなんて考えられない
だって僕は由希也くんが好きなんだから
「好きになったのは僕のほうでしょ?」
ゆっくり話しかけながら彼が落ち着くのを待つ
「泣かないで?ね?」
握った手が汗ばんでいる
どうか僕の声が彼の心に届きますように
どうか少しでも彼の心が軽くなりますように
そういいながら気づくと僕の目からもポロポロと涙が流れていく
「由希也くん...僕のこと見て?」
そう言うと彼は泣きながらゆっくり僕に顔を向ける
真っ赤になった目
頬には涙の筋がいくつもあった
僕は顔をあげた瞬間に彼を強く抱きしめた
「歩くん...」
抱きしめられて彼は驚いているようだった
「なんで...歩くんまで泣くの?」
「だって...由希也くんが泣くから」
彼の心の痛み伝わってくる
「だって...」
僕は彼が話すのを遮るように耳元で言った
「会いたかった...会う資格なんかないって思ったけど...ずっと会いたかったんだ」
これが僕の本音だから
だから彼の心に届くように精一杯の気持ちを伝える
「歩くん、、、僕の事、嫌じゃないの?」
「なんで?」
「だって、、、」
なにが、とかどうして、とか関係ない
ただ好き...それだけ
過去にどんなことがあっても僕は彼が好きだ
「由希也くんが好きなんだもん」
そういうと彼はもっと顔を歪めて泣き出した
僕に泣きじゃくりながらしがみついてくる
「歩くん...僕も歩くんが好き...」
僕は彼が泣き止むまでずっと抱きしめながら背中をさすっていた
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