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風太の試練が始まった。男同士のやり方を知らない訳ではない。挿れる穴が一つしかないのだから、当然その穴の活用法も理解している…が、それはあくまで知識のみだ。何故なら、昨夜の二人はそこを使用しなかった。一応、万が一…、と思い今朝トイレにこもって調べたが、穴を使わずとも添い寝や互いのものに触れる事で満足するカップルも居ると分かった。
「っ、ぅう、」
だから、それが二人の付き合い方だと思っていた…少なくとも暫くの間、この突然の同居が同棲と呼べる様になるまでは。しかも、先々の理想としては風太の立ち位置はこっちではない。
「止め…たけ…る、」
切れ切れに訴える。中を探る指の動き、違和感を廃除したい衝動。大声で怒鳴ったり、部屋を破損する勢いで抵抗すれば壮琉も止めるとは思うが、防音設備が最大の売りのこのアパートでも両隣と下の階の部屋に少しは聴こえるだろう。しかし、この状況からしてそれこそは一番に避けたい、二人の関係を敢えて吹聴する必要はない。
この時、躊躇すればするほど風太は拒否するタイミングを逃しているが、全く気付いていない。
「んー、大丈夫。ちゃんと拡がってきたよ、…もう少しローション入れるね。もうそろそろ二本目いけるよ。」
その言葉に目の前が暗くなる。違う、そうじゃない!そんな報告は要らない!と、声を荒げたい。いや、もう言おう!と覚悟を決めたのに、ずずずと二本目が突入した。
「っん、…ぁう、」
クッションで浮いたぬるつく尻、ローションを更に中へ塗り付ける二本の指が襞という襞を伸ばす。壮琉の食事の為に用意したタオルが、穴から溢れ肉の薄い尻を伝って流れるローションやら分泌液を受け止める。
「っもぅ、指…抜いて…、」
またも思ったほどの声が出せない。いや、更にか細い。下手に大きい声を出すのは、穴が裂けそうで恐ろしい。
「えーダメだよぉ?だって、今の狭さで挿れたら裂けちゃうよ。もうちょっと待ってね、風太がとっても大切だから傷付けたくないの。」
「なら…止め…、」
「よし、もう少しだね、あと一本は入るまで拡げないと!」
壮琉は熱心に開拓している為か、全く風太の気持ちを察してくれない。壮琉の肩を押す風太の抵抗をものともせず、寧ろ早く早くと急かしてくるとすら思い益々熱が入る。
しかし、下半身は雄弁だった。風太のものは硬度を失くし、すっかり縮こまり、ちんまりと茂みに収まっている。どう見ても、興奮は冷めている。ぐちゅり、ぐちゅり、と青ざめた風太の耳へ現実が容赦なく音を立てている。
「三本目、…よし、どう?風太痛くない?」
内壁を押す三本の指の奇妙さ。風太の脳内で現実逃避が始まる、これは指ではなく腸で何かの寄生虫が育っていると言われた方が恐ろしいのか、それとも、ちらちら視界に映る怒張して濡れているものがこれから入り込んで来るのが恐ろしいか…究極の二択。いやいや、どっちも無理!と首を振る。
「そっか、痛くないんだ。よかったぁ。もう少し待ってて。」
ちゅ、風太の太腿へキスが落ちる。ハッとして慌てて更に首を振る。
「違う!…ぁ、や、止めろ!!指を抜け!」
今度はハッキリ言えた、やっと気持ちが通じたのか壮琉は透明の糸を引きながら指を抜いた。風太が安堵の息を吐く。
「もう、せっかちだなぁ。」
穴にぴと、と当たるもの。ひう、と息を飲む。
「ああぁー!いた…ぁ、だめ、やめ…」
めり、めり、と自身の耳元で音が聴こえる気がする。全身が総毛立ち、受け入れ難いものの進入を否定する。風太の敗因は、タイミングの悪さと、自分よりも小さな体格の者へ本気で抵抗出来ない優しさだろう。更に言えば、好きだからこそ手荒な真似は絶対に出来ない性格だ。
一方、壮琉も風太の体の強張りを察知し、ようやく縮こまったものを掴んだ。決して強引に一気に行かず、内壁の抵抗を受けながら腰をゆるゆると進める。その代わり、手のひらは風太のものを感じさせようと、玉を揉み裏筋を撫でてぬちゅぬちゅと忙しない。
「痛いの?風太泣かないで、ごめんね。でもマーキングさせて、俺のものって印。」
いつの間にか、目尻に浮いた涙を壮琉の熱い舌が舐め取る。風太は返事をしたいが引き攣れる感覚に、息が詰まり声も出せない。壮琉のものは全て収まり、腰の動きが止まった…しかし手は激しく上下して風太のものを攻め立てる。
「っ…う、ぁあ、ん、」
「気持ちいい?」
穴の中に留まる違和感を凌駕し始める快感。風太の赤くなった目の縁が潤み、切なく眉根が寄る。それを見た壮琉のものが、きゅんと大きくなる。
「風太ぁ…、かわいい。」
舌を出して目尻を舐めて、半開きの唇を舐める。風太の唇は壮琉よりも肉厚で、本人は意識してないが顎にあるホクロがセクシーだ。
「んっ…、はぁ、」
「っふ、ん、」
壮琉の舌が口内へ侵入し、側面を撫でる。痛みを忘れたいのか、積極的に絡み始めた舌に押され、飲み込めない唾液がホクロを濡らす。ようやく唇から離れた舌がそれを舐め取る。
風太は温和な性格だし、高身長な事もあって威圧感を与えない為に、なるべく穏やかな表情を浮かべる様に気を付けている。おかげで女性に割とモテるが、自分からはガツガツ行けない。きっと、相手が壮琉じゃなかったら、過去最短で交際に至ったり、こんな形で最後の砦を手放す事もなかっただろう。
「んん、」
壮琉の腰が動き始め、風太の手のひらがラグを掴む。空気を求め仰け反る。もう、苦しいのか気持ち良いのか…揺すられる体はあちこちが敏感で、ものは反り返りぱつぱつに張り詰めている。壮琉が舌で、ぷつりと尖った乳首を押してちゅうと吸うかたわら、ぐりっと親指でものの先端を刺激する。
「ああっ、」
もう駄目だと思った瞬間、呆気なく果てた。びゅびゅ、と放つのを中からも押される。
「っ、あ、待て…出てる…から、」
「んっ、ごめん風太。止まんない!」
たら、たら、と激しく揺すられる度に腹に溢れる。風太の両足を更にM字に広げ、太腿を掴んだ壮琉が容赦なく穿つ。
「はあっ、ああ…出る。」
「ぁあっ…、」
中へ放ち、壮琉が荒い息をしながら風太の腹に重なった。
「…おい、汚れるぞ。」
「大丈夫。風太の精液の匂い好き。」
「……変態。」
「違うもん。風太だけ、特別。」
その言葉にぷっ、と笑う。風太は怠い腕を持ち上げて、ぴったりと重なる壮琉の汗で湿った髪の毛を梳いた。
「すっごく痛かった。止めろって、本気で何度も言ったつーのに、」
「え!うわ、ごめんね!」
慌てて目を合わせて来る壮琉を睨む。ミルクティー色の髪が額に貼り付いている。風太も同じく汗だくだ。
「風太ぁ、嫌いにならないで。」
困り果てた表情で、しょぼんとしてる。風太は笑いを堪えながら、濡れた前髪を掻き分けて横へ流してやる。
「じゃあ、一つ教えて欲しい事がある。それが叶えられたら、許してやろう。」
「本当!?いいよ、何?何?」
「本当の名前を、…教えてくれないか?」
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