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モーニングサービス
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「ほら風太、俺の指をもっと感じて。ちゃんと挿れて欲しくなるまで待つから。」
「そんな事、思わねーって。…も、やめてくれ。」
クチュ、と尻穴から液が溢れる。言われるまでもなく、嫌だと思うのに指の動きを意識してしまい、風太は眉を寄せ半開きにした口から浅く息を吐いた。
「だめ…樹雨、」
否定する言葉だが誘う様に名を呼ばれ、黒子ごと弾力のある唇を舐める。キスの好きな風太は思わず舌を出して、その舌を絡め取った。ちゅ、ちゅく、と自らの口内に招き入れ重ね合わせると下半身が疼き、穴の中で蠢く指を拒否する気持ちが和らぐ。なんだかんだ言っても、この甘いくちづけを交わすのを止められない。
「んう、」
「はぁ、」
息が漏れ互いの唇が離れると、樹雨は風太の顔付きがトロンと変化したのに気付いた。ここが攻め時だと、俄然気合が入る。乳首を吸いながら指先に集中し、内壁のポイントを探ると剥き出しのものから先走りが流れた。
「ほら、先っぽ濡れてきた。」
ふうっ、とそこへ息をかける。
「あっ!」
今朝は、一度も直に触っていないものが更に硬度を増す。足の間に体を入れられている所為で閉じる事の出来ない膝が寄り、下腹が波打つ。
「もうそろそろ…かな。ここどう?気持ちいい?」
「っ、わ、わかんな、い、」
思わず息を詰め、樹雨の指から意識を逸らそうとぎゅっと目を閉じるほど集中してしまう。焦れたようにものがぷるりと揺れ、その反応を見た樹雨は人差し指で更に優しく撫でた。
「あぁ、…うぁ!や、やめろ、そこ、なんか変、」
「ん、すごいね。中がきゅうってなって、うねってる。感じてるの分かる。」
その言葉の通り、風太の体の奥から得体の知れない熱を伴った震えが走る。その熱を増幅させる指の動きは止まらない。たまらず目を見開き、シーツをぐっと掴んだ。
「あああっ、あっ、」
初めての時も二度目の時も触れられた筈の場所から、体験した事のない感覚が湧き出し風太を襲う。
「前立腺って、案外浅いところにあるんだよー。人体の事は菊ちゃんが詳しいから、色々聞いといてよかった。最初が肝心だって言ってた。ねえ、今までより気持ちいい?」
その質問に帰った答えは、感極まった風太の甘い喘ぎだった。樹雨は目を細め、喉の渇きに似た欲望を一時的に抑える為に、コクンと喉を鳴らす。まだ、この猛ったものを収めるには早い。
「も、う、イクっ。」
風太の顔が仰け反った。体は明らかにイッている、なのに張り詰めたものからは何も出ない。ピンっと足の指先が伸び、腰が浮く。体から溢れ、どこまでも膨張した快感が足の先から頭まで駆け抜けた。
「ああっ、」
短期間でここまで感じる体に変わったのは、樹雨の腕が凄いからなのか、風太に素質があるからなのか。どちらにしても、風太にとってはあまり喜べない。
「ふふっ、風太かわいいっ。ドライでイクの気持ちよかった?まだ、中がひくひくしてる。このうねってる中を擦ったら、きっともっと気持ちよくなれるよ。…ね、試してみない?」
欲望を宿す瞳が輝く。ここでNO!と強く断る事は、精神的にも肉体的にも難しい。風太は刹那的な欲望と、男のプライドを天秤にかけ、瞬間的に回らない頭で頷いた。
「ん、…早く、挿れろ…よ。」
慣れないおねだりは素っ気ないものだったが、樹雨には充分だった。もう穴の中はとろとろにとろけ、言葉よりも雄弁に誘っている。
「もちろん、直ぐに…ねっ!」
語尾が跳ねるのと同時に、震える太腿を押さえてぐっと一気に進入する。風太の半身が上にずれ、奥を満たす重量感に息を詰めた。
「あぅっ!」
「あ、ごめん!大丈夫?」
震える背中を宥めるように撫でると、風太は首を振り涙の滲んだ瞳を閉じて樹雨に縋ってくる。樹雨の胴体を挟む太腿がピクピクと痙攣している。
「背中…やだ、」
「あれ、感じ過ぎた?そっか、背中は弱いもんね。取り敢えず、ゆっくり動くね。」
樹雨は言葉通り、ぬーっとゆっくり引き、
「んん、」
ぐちゅっと押し込む。
「ぅん、」
風太は引かれる時には結んだ唇から下腹部の力と一緒に息が抜け、押し込まれる時には跳ねる体を留める様に息を詰めた。今はどこもかしこも敏感で、口を結んでおかないと、うっかりとんでもない事を口走りそうな気がした。
「気持ちいい?」
何度目かのその質問に、自ら口を封じたのにも関わらず、首を縦に振りそうになって、慌てて横に振る。しかも下半身が痛い程に反り返り、樹雨に縋っていないと自分で扱きたくなるのだ。
「もう…素直になればいいのに。まあ、そんなことろも好き。そのうち、俺が誘わなくても風太から誘ってくれるようになったらいいなぁ。」
頑張るね!と言われ、風太はぶんぶんと首を横に強く振った。そんな頑張りは、本当に遠慮したい。今だっていっぱいいっぱいで、よがり声がどんどん漏れている。
「あっ、ああ、ん、」
「いきそ?出したい?触ってあげようか?」
意地が悪い。風太は閉じていた目を開け、色気を湛えた潤む眼差しで睨んだ。これ以上の醜態は晒したくないと、僅かばかりの理性が訴える。
「もう、意地っ張り。」
中をぐちっと突かれたタイミングで、ちゅうっと乳首を強く吸われた。脳天に快感が駆け抜ける。なのに、その刺激だけでは射精に至らない。
「く、そ!…あ、ああっ。も、無理、」
「ね、気持ちいい?」
「いいっ。いい、から、…触って。」
「うん。少しだけ我慢してね、」
両足を両肩にのせて深く繋がる。樹雨の細い左手が風太の肩を掴み、シーツに縫い止めた。そこからは、さっきのゆるい抜き差しとは違う激しさでガツガツ掘られ、同時に小柄な手のひらでものを扱かれる。望んだ以上の刺激に、風太はたまらず悲鳴に似た鳴き声をあげた。
「ああああ、だめ、イク!」
「俺も、」
二人の張り詰めたものが弛緩していく。風太の中には覚えのある液体が放たれる感覚と、内壁が出て行くものを追うように蠢き、やっと性的強制モーニングサービスが終了したのだと安堵する。
解放された足を横向きに重ねて投げ出し、脱力感に支配される横顔をシーツに埋めていると、尻穴からとろりと少し垂れ出して来た。
「ふふ。いい眺め。」
表情こそ見えないが、尻に鼻を寄せる気配と欲望の滲む声。風太は荒い息を整えながら、無言で獣耳ごと頭を押さえて遠去けた。
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