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常に空腹を感じ、定住地もなく、日銭を稼ぐ為に仕事を探すその日暮らし。ジーンズに簡素なTシャツ姿でも若く美しい容姿を見初められ、求められれば、それなりの金銭と引き換えに一夜を共にする。アメリカでの戸籍上は女性だが、彼の性別は男性であり、本名は名乗らずにBで通すのがいつものやり方だ。
彼はその朝、寝床として使った古いアパートの路地から出て、その通りにある小さなパン屋の前で足を止めた。良い匂いに鼻をひくつかせ、晴れた日差しの差し込むウインドウから中を覗く。その動作を受け、伸ばしっぱなしでろくに手入れもしていないとは思えない繊細で長い銀色の髪が肩から滑る。紫色の澄んだ瞳が大好物を探し当て、途端にぐるるるるるぅと腹が鳴り空腹を強く意識した。
っはは!凄い音だ。
丁度後ろから声がした。通りすがりの男は立ち止まり笑顔を見せると、彼の隣に並んだ。香水と煙草の匂いのするよれよれのシャツにズボン、だがそれらの品は良い生地で仕立てられている。20代後半の黒目黒髪のアジア人だ。
…ふむ。見た所、君は男性なのかな?その容姿だと女性の様でもある。
それが何?朝からセックスの相手探し?別に相手してもいいけど、異性に拘るタイプなら、俺はお勧めしない。
その声は若い男性のもので、冷めた口調や言葉の内容とはちぐはぐな印象だが、しかし容姿にはぴったりの柔らかな美声だった。
へえ!声も綺麗だ。その髪と瞳の色は天然か?
男は感嘆し、銀髪を一房取り、しげしげと見た。髪の根元も同一の色で、天然なのだと分かる。髪を手放し、今度は至近距離で目を合わせる。やはりコンタクトではない。
それ以上触れば金取るけど、
腕組みし、キスでもしそうな距離の男を睨む。彼にとって、この体は今一時だけの仮のものであり、また何かあれば捨てる容姿だ。今を生きる為に、商売道具に出来るなら利用する。
愛など知らない彼には、殺伐とした日常が繰り返されるだけの日々だ。望む死は、彼の生態では中々容易ではなく、無謀を繰り返し能力を削ぐ事で、近まる事を願うしかない。
ふうん…金さえ払えばいいのか。
男は、下唇を親指でたわませると彼を見ながら何かを考えている。
この後時間ある?近くのダイナーで朝食でもと思ったけど…君はこのパン屋がいいんだろう。髪に触れたし、奢ってあげるよ。天気もいいし、公園で食べよう。
何かの結論が出たのか、男はパン屋の扉を開けて招いた。開いた隙間からふわりと甘く香ばしい匂いが流れ出し、ぐりゅるるるるぅと先程よりも盛大に腹が鳴く。
良いけど、アップルパイをワンホール買って。食べたい。
アジア人の男は黒目を驚いた様に見開き、直ぐに優しく細めて頷いた。
いいよ。好きなだけどうぞ、ミスター…名は?
B。
素っ気なく答え、彼は男の開いた隙間からするりと入店した。
「あ、ああっ。もう、出そう。」
アルバーニの大きな手で腰を支えられた細い肢体は、イク寸前の絶頂で細かく震える。昔の記憶を思い出す余裕なんてない筈なのに、ネーヴェの脳内には出会った日の菊善が映る。
『シュガー、日本語になってる。今の君は日本語を喋るべきではないよ。そうだろう?』
たしなめられ、再び突かれながらガクガクと頷く。これ以上焦らされては、この未熟な体では保たない。
ネーヴェ・クラインの国籍はアメリカ、喋れる言葉は英語のみ。スウェーデン人との混血という事になっていて、見た目はもっと幼いが年齢は菊嘉と同じ17歳だ。しかも、何の冗談だかモデル志望だという設定で、アルバーニの悪趣味に付き合わされている。
『ごめ…ん、ルーカ。お願い、もう出させて。』
長い睫毛が瞬き、緑の瞳が揺らぐ。快感に染まる頬は白い肌に映えて美しい。それで、騎乗位で焦らしながら眺めていたアルバーニの気持ちも和らいだ。
『いいよ。じゃあ場所を代わって、もっと楽しもう。』
アルバーニに言われるままにソファーへ仰向けに寝て、背もたれに左足を乗せて局部を大きく開く。ぐちゅっと横から一気に嵌められ、背中が反り、ぷるんっと張り詰めたものが揺れる。
『んっ!』
思わず目を閉じ、快感をやり過ごす。
『ふふ、敏感だね。この体に触れるのは私が初めてだというのに、…誰の手を思い出してる?』
見透かす様に問われ、ネーヴェは首を振った。
『誰も。俺にはルーカだけだ。』
『そうだね。君には私だけ。君はネーヴェ・クラインなのだから、過去にどんな男の影もない。』
『うん。』
従順に返事をし、アルバーニの首へ手を回す。引き寄せて囁いた。
『キスしてよ。』
『可愛いおねだりだ。』
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