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緩い。
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あの後、何としてでも正面突破は避けたい一心で柊を半ば強引に裏へ連れていった。
人に面倒ごとはよこすクセに自分がとなると嫌なのか、あーだこーだ言っていたが
最終的にはあっさりついてきた。
柊と一緒に興味も無いサッカー部の練習試合を眺めている。
…それに多分コイツもサッカーには興味は無いだろう。目的はもうコイツの事だし薄々わかっていて、重いため息が零れた。
イケイケな野郎がシュートを決める度に聞こえる歓声は、ここまで十分に聞こえるし、ここからでも部員のキラキラした無駄なオーラもウザイほどに伝わってくる。
それ以上に隣がキラキラとしているからもう慣れたがな。
……でもよかった。
幸いな事に2位の、この前吉原で俺を助けてくれた生徒はいないようだ。サッカー部のエースが何してんだって話だけど、俺からすると会っても気まずいだけなので幸運だ。
「にしてもうるせぇなぁ…アイドルのコンサートかよ」
「はは、女の子の声は響きやすいからねぇ」
舌打ち混じりに言った言葉に、柊は苦笑混じりに返してくる。
なるほど、普段から騒がれ慣れてる王子様はもうこの声にも余裕なのか。
裏とはいえ風が強いため、髪が揺れる。
「…野太い歓声も聞こえてる」
「心は乙女なんだよ」
女子の声に負けないくらいの、うちの学校の乙女共を指してはまた柊は笑って返した。
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