アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
ひどい言い分。
-
「俺達先月ここと練習試合させて貰ったサッカー部なんだけど…」
「おいコラ待て何勝手に説明初めてんだよ」
新手のKYかと顔をしかめた。
最近のガキは本当に人の話を聞かないな、自分の話はしたがる癖に…
「まぁ、覚えてるわけないよな…あれは確かー」
「もう俺の拒否権無視かよ」
拒否権なんて最初から無かったようで
話を続けた男子生徒が残念そうに言っている。
先月のサッカー部の練習試合な…
見てないけどうちの新聞部が記事を書いていたのを思い出した。
「あぁ、対戦校がボロクソに負けたやつな」
…あ、失言。
正面の奴らは冷水をかけられたように険悪な雰囲気を出した。
見事に地雷を踏んでしまったようで、今にも掴みかかってきそうだ。
「悪い悪い、そう怒んなって!で、なんだ?話聞くから話せよ黙んな」
焦ってそう言うも、それはもう聞いてやるしかなくて、冷や汗混じりに「話せって」とお願いする。
なんで俺が聞きたがってんだよ。
「…そう、俺達がボロ負けした試合だ。今まで負け知らずだった俺たちがだぞ……まぁそんなことどうでもいい。負けた理由を聞いてくれ」
「お、おう…」
…イカサマか?
パッと思いついたのはそんな事だった。
だからこんなに納得いかなそうにしているのか…
答えを聞くのに少し躊躇う、俺としては教師としての面倒ごとは避けたい…
それでも逃げるわけにいかずに、真面目に相手を見る。
「なんだ?」
「それは…お前らのサッカー部が…いや、サッカー部員がモテ過ぎてだよ!」
悔しそうにノッポな男子生徒は言った。
………………は?
「なんだよパフォーマンスじゃねぇんだぞ!?アイツらがシュートを入れるとキャーキャー言うのに俺らになると静まるってレベルじゃねぇぞ、葬式かよふざけんな!!!!」
「そうだそうだ!!!!」
「俺らのやる気も無くなるだろーが!!」
ノッポに続いて周りの奴らも口々に言い出した。
そうか、つまり今俺はコイツらがモテないから試合に負けたって理不尽な理由で絡まれてるのか…なるほど。
「………………悪い、訳分からない」
遠い目をして言った。
何してんだろ俺………あぁ、帰りてぇ……
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
72 / 81