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ワースト1位。
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「ありがとうVIP達よ」
柊の話を終えて、マイクを返して貰った校長が満足げに言った
VIP達……。
柊とか、人気の高い奴らをひとまとまりにVIP生と呼ぶ。
何故だかわからないが、いつからか決まったこの呼び名が定着していた。
因みに俺は「勝ち組み」と呼んでいるが、この呼び方を使う人も少なくはないだろう。
…両方とも、俺には一生使われる事の無い言葉だ。
「…はぁ」
ようやくクソ長かった集会が終わる…。
思ったらしいため息を吐いて、早く早くと苛立ちをおもむろに出した。
それでも、校長は話を辞めなかい。
「それともう一つ。
非常に残念ですが……化学科の荒木先生がワースト1位となりました。
荒木先生には一年以内に30位以内に入れなかった場合は、この学園を出て行って頂きます。」
「え?」
生徒達に先程までの盛り上がりはなく、校長もどこか冷たげに俺の名前を呼んだ。
突然の事に思わず拍子抜けた声が漏れる。
…そんなことはどうだっていい。
俺が最下位?
パチパチと瞳を揺らして
理解の追い付かない脳をフルで回転させた。
…どういうことだ。
それに、一年以内に30位に入れだなんて無茶にも程がある。
「荒木先生も何か一言どうぞ」
「…は?いや、ちょっと何言ってるのか理解できなー」
「どうぞ。」
「……はい」
先程と同様、俺も舞台へ立たされる。…も
柊の時の様な歓声はなかった。
むしろ舌打ちが聞こえる程だ。
ワースト…嫌われ率 1位を取った俺から一言。
なんと言えばいいのか、生徒達を前に俺は
深く、ため息をついた。
「ーー俺にワースト票入れたやつ全員。ぶっ殺すからな。」
校長から受け取ったマイクに
そうとだけ言えば強引にマイクを返す。
おやおや、と小さな声が聞こえな様な気がした。
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