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一位からの告白。
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五月蝿い後輩がいなくなったもので、室内はやけに静かだった。
柊が丁度前のソファへ勧めてくれるのがわかる。
なんだか長引きそうで嫌な気もするけど…、俺が座ると満足気に頷いたからこれでよかったのだろう。
きっと。
「…で、わざわざ後輩を行かせてまで俺を呼んだ用って?あるなら手短に頼むぜ。」
「配慮するよ。…なんだか荒木先生ってそっけないんだね」
「それはお前の周りが過剰反応過ぎて俺が薄れて見えるだけだろ」
「それは先生も同じだと思ってた」
「…まぁな」
俺の場合は黄色い歓声とかじゃなくて真っ黒な罵倒、もしくは悪口だけど。
学園内のアイドルに呼び出されるもんだから一体何と思えば、案外単純なお話ばかりだ。
そもそもなんで俺を呼んだのかがわからない…ただのおしゃべりなら御免だ。
「悪いけど俺も忙しい身でな。用がないなら帰っていいか?」
「俺先生に票入れたよ」
「帰っていいか?」
一方的にスルーされてもう一度聞いても返事は返ってこなかった。
むしろ話を逸れさせる相手に、とてもじゃ無いけど会話が成り立たない。
「んなもん全生徒入れてるだろ。ワースト一位なめんなよ」
「ワーストじゃなくてライクを入れたの、俺先生嫌いじゃ無いから」
「はぁ?」
予想外の言葉に思わず聞き返した。
それでも柊はキョトンとしてあたかも当たり前そうに言っている。
俺にライク票?
そんなもの俺でも絶対に
俺みたいな奴には入れねぇのに…コイツがか?
「他の奴に入れて一位の座を取られるぐらいなら俺に入れて捨てようって魂胆か?」
「俺の一位は確定だから。そんな事はしない」
「どっから出てくんだよその自信…」
格上のやつが格下の俺に評価する理由がわからなくて眉をしかめては悩んだ。
「俺先生が好きだから」
柊は柔らかく笑って人形の様に整った顔を向けてくる。
突然の告白に目を開いてはパチパチと、俺は間抜けな面でその表情を見ていた。
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