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『七節/3』
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ムツルの話を聞くと、俺の家の周辺には艮の鬼門が発生するらしい。
そう、あの日あの時、俺が扉を開けた時間が艮の鬼門になったのだ。
「牙刃?」
「あ、なんでもない」
「牙刃…ボクお願いが一つだけあるの」
「お願い?」
『王子を助け出せ』
「!コクハ!?」
「え?黒刃くん?」
「あ…いや…なんでもない…」
幻聴が聞こえた。
もう二度と出て来る筈のない奴の声が…。
俺の弟の名と姿を写した、ムツルの核の声が…。
いや今は聞こえてきた「言葉」が重要だ。
『王子を助け出せ』とは何か……。
「牙刃ってば!」
「あ、あぁごめん。なんだ?お願いって」
「アロクを助けてあげてっ!!」
「は?」
「アロク、牙刃が居なくなってしまったから…アロクは」
「アロクがどうしたんだ?」
「王様が」
アロク王子の裏切りを許さなかった、王様。
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