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寝たふり。
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俺は相変わらずねっころがりながら、日向が文句言いながら料理作ってるのをしばらく見てた。そしたら突然眠気が襲ってきて、いつの間にか眠ってた。
いー気持ちで寝てたら、シチューの良い匂いがしてくる気がした。そんで髪の毛をやさしーく撫でられてた。くるくる指に絡ませたりして遊んでるのを感じて、起きにくくなってしまった。だから、んんー、って不機嫌そうに唸ったら、びっくりした様に手が離れていった。
そこでやっと、夢じゃねぇな。ってわかった。あったかい日向の手のひらが離れると、何か少し物足りなくなってしまう気がした。
いつまでも日向は離れてかないから、薄目を開けてみた。そしたら俺の寝てるソファの下で体育座りしてる日向が見えた。ぼーっとした顔は、なんか悲しそうな顔してた。
.......かわいー顔なのに、すごいアホ面だなぁと思って笑いそうになったけど、いきなり日向が「ばかはるき。」とか言ってほっぺを撫でて来たから、慌てて寝た振りをした。
そしたら、すぐ起こされたから、あんま寝た振りの意味が無かったかな。と思った。
.......しっかし、また何をそんな顔してまで悩んでんだよ、とか聞きたかったけど、やめといた。
「....シチュー、作ってやったぞ。」
相変わらずむすっとした顔の日向は言った。
「......よく出来ました笑 えらいえらい。」
「棒読み!!このやろー....、せっかく作ってやったのに!」
俺はいつも通り意地悪な顔で、日向をからかった。
キッチンまで行って、鍋の中を見ると俺の好きな鶏肉の入ったシチューだった。
「あっ、おい、つまみ食いすんなよ!」
後ろからつんつんと服を引っ張られた。
.....こーゆーとこ、コイツらしいなぁと思う。
なんだかんだ言って、ちゃんと仕事をこなしてくれる上に、俺の好きな物もしっかり覚えててくれる。
母さんが一人で働いてくれて大変な分、コイツも頑張ってくれる。
俺はきっと日向のそんな所も好きなんだろう。
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