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朝
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陽樹の後ろに付いてリビングの扉をあけると、既にキッチンに人影があった。
「ふ、ぁぁ.......、ぁ?母さん?」
大きなあくびをした陽樹が、そんな事を言った。
.....ぇ、母さん!?
ぱたぱたと駆け寄って、俺よりも小さいその人の隣に立った。
「あら、おはよう日向、陽樹~」
フライパンを器用に操りながら、ふわりと俺に笑い掛けた。...んん、我母ながら可愛らしいと思う。
陽樹はソファーに座って早速テレビを付けながら“はよ“と返していた。
「お、おはよ母さん!とゆうか、何で起きてるの?まだ寝てて良いのに....」
今は朝の九時位。
今日は日曜日だから俺たちの学校は無いものの、母さんは今日の朝四時まで仕事をしていたのだ。きっと、全然睡眠を取ってないに違いない。
「今日は休みだから大丈夫!!朝ご飯作ったら少し眠るから~」
ぐっ、と小さくガッツポーズを取る母さんに思わず苦笑する。こんなに無理しなくて良いのに...。ただでさえお世話になってるのに申し訳ない。
「もー、朝ご飯位作るってばぁ!ほら、母さん休んでて!」
「いーや、たまには料理したいじゃないの。」
ぷくぅ、と頬っぺたを膨らましながらフライパンを離す気は無いようだ。
「母さん、俺が日向手伝うから大丈夫だって。ソファー空けるから、とりあえず今は休めよ」
どうしようと思ってたら、陽樹がそんな事を言いながら母さんの隣に立った。
二人で母さんを挟むと、母さんは困った様に笑った。
「....もー、二人に言われちゃったらしょうがないわねぇ...。じゃあ、夕飯は作らせてよね!」
そう言うと、渋々と言った感じでフライパンを渡された。
そのまま母さんは俺たちの頭を撫でて、ソファーに向かった。
「ちゃんと寝ててね」
俺がそう言うと、はいはい、と返事をした。
母さんが作ってたのは、どうやらフレンチトーストだった。甘くて優しい、牛乳の匂いがする。
じゅぅー、と音を立てるトーストをひっくり返していると、隣にいた陽樹がじーっと見つめてきた。
「な、何だよ....」
「いや、何かやる事ねぇかなと思って」
「.....手伝ってくれるんだ、珍しいのな」
「....別に」
ちょっと不機嫌そうに言う陽樹に笑いながら、サラダを作る様にお願いした。
隣でレタスを千切る陽樹を横目でみて、やっぱりかっこいいなぁと思った。
髪なんかぽわぽわ跳ねてる癖に、こんなイケメンとか何かムカつく。
ちらちら見てたら、こっちみてんじゃねぇとか言ってデコピンされた。
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