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こしょこしょちょこれーと。3
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「どうぞ。早く食べてね」
俺の前に先ほどのケーキを置き、仕事に戻っていく翔さん。
調理場へと姿を消した。
なんというか、切り替えが速い。
……………。
俺は今まで生きてきて、これほどまで『夜が来なければいいのに』と思ったことがなかった。
夜が来ませんように。
願っても意味のないことを願い、ケーキに手を伸ばした。
「美味しい……」
口に広がる、甘い味。
だけど甘ったるくなくてとても上品だ。
確かに翔さんの作ったケーキはすんごく美味しかった。
今まで食べたことないくらいに。
悔しいけど、俺にはこんなの絶対に作れない。
でも、絶対に俺も翔さんみたいなケーキを作れるようになるんだと心に誓ったのだった。
「翔さん、食べ終わりましたっ!!!」
「じゃあ、もう仕事に入ってもらうよ」
「はい!!」
「ケーキ代は後払いでいいからね♪カラダで払うんだよね、もちろん??」
「はぇっ!?」
俺の口からは奇声が漏れた。
「返事は『はい』でしょっ?」
「はい」
俺の始めての仕事が始まる。
言っとくが、まだ時計はお昼を回ってはいなかった。
長い1日になりそうだ。
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