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はじめての仕事。1
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朝ごはんを食べ終えた俺は、翔さんのいる調理場へと向かった。
調理場では翔さんがテキパキと1人で手際良く動いてる。
先ほどとは違う、ケーキを作っている。
今度はお誕生日ケーキのようだ。
ボールの中の生地を混ぜる手つきが美しい。
そこに世界を作り上げるように、シャカシャカシャカと一定のリズムを刻む。
思わず息をするのも忘れて見入ってしまう。
ボケーっと翔さんの手つきを見つめていたら、俺の視線に気がついた。
はぁ、とため息を着く翔さん。
「なに、ボケーっと突っ立ってるの?ほらこっち来て手伝って。それとも何?僕が君をそこまで迎えに行かないと調理場に入っても来れないわけ?」
「あ、いえ!!大丈夫です!すいません!」
「えー、遠慮しなくていいのに」
「ほ、ほんとに大丈夫ですから!」
「そんなに必死にならなくても。調理場で取って食ったりはしないから♪」
翔さんの口元だけがにやっと上がる。
冗談に聞こえないのがまた怖い。
またなんか考えてるのかな……。
「えと、失礼します」
なんとなく、お辞儀をして俺は調理場へと足を踏み入れた。
「ん、ようこそ。調理場へ」
生地をかき混ぜる手を止めないで、翔さんは俺の方を愉快そうに見たのだった。
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