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はじめての仕事。2
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「俺、何を手伝えばいいですか?」
いよいよ始めての仕事だ。
パティシエへの第一歩を踏み出すんだ。
そんな気持ちの高ぶりを、自分の中に押さえつける。
何を作らせてもらえるんだろう。
さっきもケーキ作ってたし、俺の初仕事はケーキ作りかな。
なんて思ってたけど、そんな考えは甘かった。
「じゃあとりあえず、あっちの洗い物全部洗っといてくれる?」
「は………?」
え、まって?
ケーキ作り手伝わせてもらえるわけじゃないのか。
「返事」
「はい」
そうして俺は、洗い場で洗い物を受け持つことになったのだった。
アワアワ、シャワシャワ……。
「次これもお願いね」
次から次へと翔さんは、洗い物を持ってくる。
洗っても洗っても切りが無い。
楽しくない。
俺は、洗い物をするためにここに来たわけじゃないのに。
自然と顔がむぅっとなってしまう。
翔さんにも考えがあってのことなんだろうけど、俺にはその考えなんか伝わってこない。
むすーっとしながら、無言でシャワシャワと洗い物をこなす。
「不満そうな顔してるね」
「わっ!翔さん!!」
洗い物に集中していて、翔さんが近づいて来ているのに気がつかなかった。
「俊希くんすぐに顔に出るから分かり易すぎ」
つんつんと、膨らんだ俺のほっぺをつつく。
「そんなことないですけど」
言葉ではそう言うものの、不満が隠し切れていないのも事実だ。
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