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はじめての仕事。5
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なんで涙が???
自分でもよくわからない。
「泣くほど作りたいのね」
翔さんは、少し困ったような顔をして俺の頭をぽんぽんと優しく撫でた。
ふむふむと頷き、満足そうな顔をしている。
翔さんはそう解釈したらしいけど、なんだか少し違う気もする。
翔さんに自分の意見を真っ正面から言うのが怖くて緊張してましたなんて、口が裂けても言えるわけないけど。
ありがたい勘違いをしてくれてよかった……。
「僕、商品はまだ作らせられないって言ったけど『お菓子を作らせない』とは言ってないよ」
「けど、でも」
「普通に考えて、そんな初日から作れるわけないでしょ。仕事が終わってから毎日夜に少しずつ教えていくらから」
「本当ですか!?」
「だって僕1人でこの店やってけるわけないでしょ」
「はいっ!」
「今日の仕事が終わってから、毎日細かく個人指導してあげるから♪」
そう言って、翔さんは調理場へと戻って行った。
個人指導……。
翔さんが言うとなんだかそれだけの言葉で、俺の背筋はぞくっとさせられた。
言っとくけど別にエロい想像なんかしてないんだからなっ!!
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