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差し入れは、クッキーです1
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仕事が終わったらお菓子を作れるんだと思うと、なんとなく精が出る。
その後も大量の洗い物と、その他の店の片付けをさせられたが早くお菓子作りを作りたくてうずうずしている俺は、そう苦痛には感じなくなっていた。
慣れてきたってのもあるかもだけど。
翔さんがあれから俺のとこにやってきて話しかけてきたのは、3時の一回だけ。
ーーー3時のおやつ。
「俊希くん、俊希くん」
2回の部屋の片付けを頼まれて俺が掃除機をかけているところに、翔さんがやってきた。
ブウォーン、ブウォーンという掃除機の大きな音のせいですぐに気がつくことは出来なかったけど、とんとんとを肩を叩かれたところでようやく俺は気がついた。
「はいっ!」
返事をして、慌てて電源を切る。
「俊希くん♪おやつの時間ーー」
翔さんが上機嫌に持ってきたのはクッキーだった。
「うわぁ、美味しそう……」
思わず口から声が漏れる。
バターをふんだんに使ってあることが食べなくても分かるくらいいい香りがする。
見た感じでは、中にはナッツが入っているのかな?
「お仕事頑張ってくれてるから今日の差し入れね」
そう言って翔さんは一つ手に取り、俺の口の前に持ってきたのだった。
「食べていいんですか?」
「あげてるんだから食べていいんだよ。それとも僕の手からじゃなくて、口からでしか食べれない?」
「あ、いえ!いただきます!!」
焦る俺を見て、クスッとする翔さん。
だって、からかってるのか本気なのかいつもわからないんだもん……。
「どーぞー♪」
サクッ。
一口かじった瞬間俺の口いっぱいに、優しい味が広がった。
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