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個人レッスンを始めましょう。5
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「あんまり、力入れすぎないで」
翔さんが、俺の肩を触る。
何故だかピクッと、自分でも無意識に反応してしまった。
「こらこら。もう何もしないからこれくらいで感じないで」
ふふっと、翔さんの頬が自然と緩んだ。
いつもの意地悪な笑みとは違う、溢れでた笑顔。
へー、こんな笑い方もできるんだ。
「はっ、はい!ごめんなさい!」
俺ばっかり感じてしまって、本当にバカみたいだ。
「もう少し、ちゃんと力抜いて。1日に何十個、何百個と割らなきゃいけないかもなんだから。そんなに肩に力入ってたらすぐバキバキに凝っちゃうよ」
上がっていた俺の肩を、ゆっくりと下ろさせる。
自分でも気がつかないうちに、力が入ってしまっていたようだ。
「そう。これくらい。じゃあ割ってみて」
「はい」
パカッと綺麗にボールに卵が入った。
さっきとは違い、落ち着いて割ることができた。
「よし、おっけー。じゃあ、次は混ぜていこうか」
そう言って翔さんは泡立て器を戸棚から出してきた。
「これの使い方、知ってる?」って楽しそうな笑顔を作って。
「早くキッチンからでて、楽しいことしようね」
カシャカシャとお手本として、卵を混ぜながらなんだか嫌なことを考えてそうだ。
まだまだ、俺の個人レッスンは長いらしい……。
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