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疲れた日にはホットココアを。5
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「あっつ……」
「え!?大丈夫??そりゃ、熱いよ!火傷してない??」
熱々のココアに勢いよく口をつけた俺。
逸らしていた視線を一気に俺へと戻した翔さん。
熱くて当然ですよね……。
バカだ。
口の中がヒリヒリする。
『心配してくれてるのかな?』と内心少しだけ期待して翔さんを見あげてみたが、目は心配そうにしている反面で口角は上がっている。
…………。
絶対笑ってる。
少しくらい心配してくれてもいいのに、と不満になったので「大丈夫です」と声にしたつもりが。
「ひゃいほょうふです」
全く声になってはいなかった。
クスクスクスともう笑い声を我慢せず、心配するそぶりはゼロだ。
「そかそか。ひゃいほょうふなのね?」
俺の口調を真似して、遊んでいる。
口の中はヒリヒリ痛いし、からかわれた恥ずかしさで頬は赤くなった。
うぅっ…………。
声を出して笑う翔さんを見ていると余計に恥ずかしくなってきたので、マグカップの方へと顔を下げたのだった。
しかし、俺が顔を下げた先にマグカップはなかった。
「ん?」
「そんなに熱いなら、僕が飲ましてあげるね」
そう言いながら、翔さんは俺の手元からマグカップを取り、俺と同じ目線になるようにしゃがみこんだのだった。
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