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あついココアに気をつけて。2
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「焦りすぎだってばー。もう少しゆっくり飲みなよ」
呆れて苦笑いを浮かべる翔さん。
「はい……。でも、俺すんげぇココア好きでめっちゃいい香してたし、早く飲みたくて!」
素直に「はい」と言えばいいものの、ダラダラと言い訳をしてしまう。
ココアが好きで、早く飲みたかったって気持ちに嘘はないし。
チビチビとゆっくり口をつけて、ココアを味わう。
舌の上で、暖かくて優しい甘さが広がる。
これ、翔さんの手作りかな?
市販のなんかより、全然美味しい。
「このココア、めっちゃ美味しいです。翔さんが作ったんですか?」
「え?ココア入れただけで粉からは作ってないけど…….?」
「あ!そうなんですね、めっちゃ美味しいから粉から作ったのかと」
「え、俊希くん。流石の僕もココアの粉からは作らないよ!?」
驚いたように目を見開く翔さん。
そりゃそうだよな。
俺何言ってるんだよ。
知った風に口きいちゃって、本当恥ずかしい。
「そ、そうですよね!なんかいつも飲んでるのより美味しく感じたから」
「んー、多分さ。俊希くん今日初めてで疲れてたでしょう?だから甘いものが全身にしみていつもより美味しく感じるんだと思うよ」
そういうことか……。
自分では気がついてなかったけど相当疲れてたんだな。
「本当にありがとうございます」
俺がそう言うと、翔さんはぐいっといきなり顔を寄せてきた。
そして、俺が持っているマグカップに自分の手を添える。
「え!?翔さん??」
「もう少し、糖分多めに……する?」
息を吹きかけるように、耳元でそう囁いた。
ぞくっとする俺の背中。
「どういうことですか??」
砂糖を加えるってことかな?
そう尋ねると翔さんは、俺のアゴをくいっと上げてキスをした。
え、ちょ、ま、キスを……した!?
「加えようかなって思ったけど、これくらいの甘さがちょうどいいね」
そう言って翔さんは、何事もなかったように俺のアゴから手を離したのだった。
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