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パンケーキに蜂蜜をかけて。1
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午前2時丁度。
目覚ましが鳴ったと同時に、俺は目をひらいた。
何時もよりもは短い睡眠時間だが、昨日の翔さんが入れてくれたココアのおかげで寝起きはすっきりしている。
今日は手足が縛られている事はなく、これといって体に異常が無いことに安堵する。
素早く着替えを済ませて、俺は一階へと急いだ。
まだ翔さんは寝ているかもしれないから、ゆっくりと足音を立てない様にしながら。
だけど一階にはまだ誰も居なくて真っ暗だった。
良かった、今日は翔さんよりも早く起きれたみたいだ。
昨日のココアのお礼に何か作ろうと思い、店用では無い方の冷蔵庫を確認する。
冷蔵庫の中はキチンと整頓されており、色々入っていた。
何を作ろうかなぁなんて思いながら冷蔵庫を見ていると、いきなり背後から声がした。
「おはよー、俊樹くん。今日は早いね」
「え!?翔さんっ!おはようございます!!」
振り向くとそこにはいつの間にか支度を済ませた翔さんがいた。
この人には気配というものが無いのか……。
いつも驚いてしまう自分の心臓をどうにかしたい。
「そんな驚かなくても。何か探してるの?」
冷蔵庫を覗いていた俺を不思議そうに見つめる翔さん。
「あの、朝ごはんを作ろうと思ったんです。その、昨日のココアのお礼に」
俺がそう言うと翔さんは目を丸くした。
そんなに驚くことか?
「お礼?あんなのに?そんなのいいって」
「でも、凄く美味しかったですし、あのココアのおかげで疲れも取れてよく眠れたから朝ごはんは翔さんが起きてくるまでに作ろうって思ってたんです」
「でも、翔さんもう起きてきちゃいましたけど……」
そう付け加えると、翔さんは丸くしていた目を嬉しそうに細めた。
「嬉しいことを言ってくれるね、俊樹くんは。じゃあ朝から一緒にホットケーキでも焼こっか」
何がそんなに嬉しかったのかは分からないが、翔さんは上機嫌だ。
戸棚からホットケーキミックスを取り出し、俺に声を掛けた。
「じゃあ仕事始める前に、一緒にホットケーキでも作ろっか」
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