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ぷろろーぐ
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俺は甘い物が小さい頃から大好きだった。
お菓子とかケーキとか。
食べるのはもちろんのこと作るのも好きだった。
そんな甘党男子。
だから、高校を卒業したらパティシエの道に進むってのはずっと決めていた。
みんなが受験勉強に勤しんでる時、俺はたくさんの店に「住み込みで働かせてくれ」と頼みに行った。
だけど、高卒の子供なんてどこの店も相手にしてくれるはずもなく。
噂には聞いていたけど、まさかここまでだったなんて。
お願いに行った全部の店で断られた。
言っとくけど、1、2件なわけないからな。
何十件も行った。
大きい店、小さい店問わず。
だけど、全部、全部、ダメだった。
働くとこがないんだからスタートラインにも立てない。
もう専門学校にでも行って、勉強でもするかと諦めかけている時だった。
神様は僕を見捨てはしなかった。
最後にお願いに行った店から、「住み込みで働かせてやる」と電話が入ったのだった。
オーナーの翔さんから。
出来たばかりの小さな洋菓子屋さん。
あの時の俺は翔さんを神様だと思った。
大袈裟すぎるけど、連敗中でどうしようもなかった俺に手を伸ばしてくれたから。
だから、この時の俺は知らなかったんだ。
翔さんがどれだけSかってことも。
これから俺が、この人の奴隷になってしまうことも。
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