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始めましてはちゃんとして1
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翌日。
俺は荷物を詰めて家を出た。
「いってきます」
「いってらっしゃーい」
家族のノリは俺がいつも学校に行くノリと全く変わらない。
できのいいお兄ちゃんとお姉ちゃんがいるから、俺は野放しで育てられた。
だから何も言われない。
小さい頃から自由だった。
両親から自分だけ野放しってのは、まぁ楽っちゃ楽だけど少しさみしいってのも事実だ。
俺が今日から住むことになるのは『ガトシュイエ』という小さな洋菓子屋さんは、家から2時間くらいかかる。
まぁまぁいい感じの距離かな。
がたんごとんと電車に揺られて、ようやく俺は店に着いた。
電話で話した翔さんって人、いい人だったらいいな。
翔さんに会うのは初めてだ。
だってこの店は電話で、「訪問してもいいですか?」って尋ねた時点では断られたからな……。
まぁ俺に運が回ってきたってだけのこと。
それだけのこと。
よし、がんばるぞっ!!
俺は気合を入れるためにパンっと自分で自分の顔を叩いた。
そして恐る恐る、扉に手をかけ、店へと入ったのだった。
「あの……」
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