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はじめましてはちゃんとして3
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「こっ……こんばんは!」
翔さんと思われる人に挨拶をする。
「うん、こんばんは。ねぇ?君が深谷 俊希くん?」
「はっ、はい!深谷 俊希です。よろしくお願いします!」
俺は深々と頭を下げた。
「うん。よろしくね♪」
顔を上げると、翔さんはニコニコ笑っていた。
この雰囲気なら聞けそうだ。
「あの……あなたが翔さんですよね?」
この店にはこの人しかいないからたぶん間違ってないけど、恐る恐る聞いてみた。
すると翔さんは、少し俺の方へと歩み寄ってきてそのまま……。
俺の身体を壁の方へと突き飛ばした。
結構な力で。
バンッ!!!!
「えっ!?」
あまりにも一瞬の事で、俺の頭は追いつかなかった。
俺は翔さんに思い切り壁に押し付けられた。
押し付けられたというより、壁際に追いやられたという方が正しいかもしれない。
「ねぇ?俊希くん。いつ僕が『翔さん』なんて呼んでいいって言った?」
顔は笑っているし、声のトーンも変わらないのに何故か背筋がゾクゾクとした。
まって、俺なんかした!?
「その……」
あたふたする俺を、全く無視して翔さんは歩み寄ってくる。
コツン、コツンと。
「ん?言ってごらん?僕言ったかな?」
「い……言ってないです。すいません!!」
「普通初対面の人には『様』付けするもんじゃないかな」
翔さんは相変わらず笑みを絶やさずに、俺の顔をじーっと見ている。
そして、俺の腕を掴もうもした時。
本能的に危険を察知した俺の口からは、無意識に言葉がこぼれていた。
「しょっ……翔様!!」
そう叫んでいた。
そんな俺を見て、翔様は笑い出した。
俺の腕を掴もうとしていた手を自分のお腹に当てて。
!?
何がおかしい!?
「あははっ。なんなの、きみ。面白いね、冗談、冗談!!翔様なんて呼ばせるわけないじゃん。翔さんでいいってば。うん、僕がここのオーナーの清水 翔だよ」
何事もなかったように、自己紹介をしながら笑う翔さん。
…………。
この時の俺がゲラゲラ笑う翔さんを見て何をどう思ったかは、もう想像に任せる。
ただ一つ思ったこと。
俺はここでこれからやっていける自信がなくなったことだけは伝えておこう。
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