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翔さんと、約束1
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「電話でも言ったけど、いくつか僕と約束してもらいたいんだけどいいかな?」
「はっ……はい!!」
約束ってなんだろう。
気になるけど……。
さっきの衝撃がまだ抜けていない俺の声は若干だが震えていた。
初対面の人にいきなりあんなことされたら、誰だって恐怖を覚えるだろう。
でも……翔さんはそれが気に入らなかったらしい。
「何その声」
躊躇なく俺のほっぺを掴んだ。
俺のほっぺを掴み、ぐにーっと引っ張る。
優しくとかじゃなく、明らかに悪意のこもった強さで。
でも翔さんは表情は変えない。
素敵な笑顔のままで俺のほっぺで遊ぶ。
「ひゃふ?!」
自分の口から間抜けな声が漏れる。
「ひゃいまひぇん」
謝ろうにも声がしっかりでない。
「あのね、俊希くん。僕そーゆーの嫌いなんだ。おどおどした感じ。
だから返事は『はい』ってちゃんとしてね?」
俺だっておどおどしたくてしてるわけじゃない。
翔さんが、あんなことするから……。
考え込んで黙っていると、翔さんは俺のほっぺを離した。
自分にも非があったことを思い出したのだろうか?
なんて……あるわけないよな。
「早く返事しろよ。僕だって暇じゃないの。おい、聞いてんのか?小僧」
翔さんの目は笑っていなかった。
「はい」
俺の声はもう震えてなどいなかった。
震えることさえできなかった。
「うん。いい子は好きだよ」
そう言って、翔さんは笑顔で俺の頭を撫でた。
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