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翔さんと、約束2
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翔さんの撫で方は、まるで小さな子供を撫でるような撫で方だった。
俺が刃向かってこないのを知ってるかのように。
「じゃあ、僕と約束しようか」
翔さんは何事もなかったかのように話を進め始めた。
「その1、今日から君は僕の家てか、この店で寝泊まりすること」
それは元から聞いていた。
住み込みということだ。
「返事は?」
「はい」
「2つ目、君にはもう明日から働いてもらうよ、んで、ちゃんと返事することはさっきも言ったけど当たり前だからね?」
翔さんはニコニコ笑顔を向けてくる。
「はい」
「3つ目、ぼくの命令には必ず『はい』っていうこと」
「はい」
この人に向かって『いいえ』なんて言えるわけない。
……ん?
命令???
「すいません……。命令って、どういうことですか?」
俺が疑問を問いかけると、翔さんは一瞬しまったという顔をして言い直した。
「うん、間違えちゃった。僕の指示ね。パティシエってか、料理中は危ないから。まぁそんなのどうでもいいから、次行くよ」
なるほど。
火とか使うからってことかな。
「4つ目、最後ね、これ。僕のとこから何も言わずいなくならないこと、消えないこと」
「はい」
最後のには力強く返事きた。
いなくならないって?
当たり前じゃないか。
僕はここにパティシエになりたくて来たんだから、一人前になるまでいなくなれない。
だって、僕にはもうここしか夢を叶えられる場所がないんだから。
「じゃあ忘れないように紙に書いといて」
翔さんはどこからともなく紙と鉛筆を持ってきて僕に渡した。
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