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君の為に【fjky】
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「つかれた」
きっと、今の俺にはこの一言がピッタリだろう。
「メール、しとくか…?」
でも、きっと彼は読まないだろう。
いや、でも3日後くらいにきずくかも…。
一応、書いとこう。
――フジ、俺の彼氏はイケメンで…。
格好いいんだけど、浮気をしてるみたいで。
それが無ければ、拗れなかったのかもしれない。
こんなことしなくても良かったのかもしれない。
けど、ひとりで食べるケーキは、甘ったるくて、胃もたれしそうで。
「……フジ…」
彼の名前を呼ぶと、ケーキは段々しょっぱくなって行って。
「どうして…」
思い返すとあの日、告白したのはフジからだった。
照れて、顔真っ赤で、ぎゅっと目と手を握り、「好きです」と直球で伝えてくれた。
断る事をしてこなかった俺は、了承した。
その時の嬉しそうな笑顔が、最近の俺に接している時の苦笑いとは全然違くて。
―戻りたい。でも、戻れない。
彼が、彼には彼女がきっといるから。
それから、パソコンを隠した。
あいつとの写真のデータも知らずに削除した。
検索履歴は自殺の仕方で埋め尽くされてる。
楽に死にたい。
自分の意思で、死んだとわかるように。
だから今、ビルの屋上にいる。
Twitterで、「さよなら」と呟く。
2秒もしないでくるファボ。
実況者勢からくるDM。
「どうしたんだ?」、「おふざけかよw」。
ううん、違うよ。
「フジに、聞いてくれ。」
俺の、最後の意地悪。
アイツは、苦労すればいいんだ。
俺のこと、捨てやがったんだし。
「ばーか」
好きだったんだからな。
「あっ」
メールの返信。
――Twitter見たけど、何言ってるの?どうしたの?…そうだ。今日も俺、ラーヒーん家に泊まるね。
「……」
嘘つき。
ラーヒーん家なんて、行ってないくせに。
いいよ、最後にこのビルの屋上と最高の笑顔の俺で自撮りして送ってやる。
「ほんと、ばか」
俺も、お前も。
「お幸せに」
俺は、お前の道を正すために。
脱線してしまったお前を、更生させるために。
「フジの為に」
自殺します。
「ばいばい」
――愛してた。
―――――
シリアスもぐもぐもぐおいしー
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