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秋人へ
秋人に手紙を書くのは初めてで、じいちゃん少し緊張しています。書きたいことは沢山あるけど、最初にこれだけはいっておこうと思います。
秋人、じいちゃんは秋人を愛しています。
秋人の両親、私の可愛い息子と義娘(むすめ)が急にこの世を去ってしまい、私は死んでしまいたいくらい哀しくて哀しくて胸が痛くて苦しかった。
でもね秋人、君がいてくれた。
あの日、立ち尽くす私の手を君は握って「じいちゃん、大丈夫?」って言ったんだ。
幼かったから覚えてないかもしれないね
だけど、じいちゃんはあの言葉で頑張らなくてはと思えた。
幼い君の手は小さくて温かくて、守らなくてはと思った。そして同時に幼い君に心配をかけた自分が情けなかった。
可愛い息子と義娘の子、私の可愛い可愛い孫。
二人の分も愛情を注いで立派に育てようと二人に、自分に誓った。
秋人、私は君をちゃんと愛せていただろうか?
両親がいないことで、寂しい思いをさせてはいなかっただろうか?
もっと沢山話したかった。もっと沢山笑いあいたかった。
でもごめんね。じいちゃんはそろそろお迎えが来るようなんだ。もう少し待っててほしかったんだけどね。
一人にしてしまう事を、どうか許してほしい。
また、寂しいくて哀しい思いをさせてしまうことを許してほしい。
じいちゃんは、いつまでも秋人を想い見守っているから。どうか泣かないでほしい。君は笑っているのが一番似合う。
君の人生に笑顔が絶えないことを心から祈っています。
秋人、私の可愛い孫。愛しているよ。
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