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朝日が差し込み、十分に明るくなった居間には、まだ寝ている二人の姿があった。
秋人を胸に抱き眠るサイカと、その胸ですやすやと眠っている秋人。
時刻はあと1分で9時になるというところだった。
秋人のセットした目覚ましがチッチッチッと音をたてて動いていく。
チッチッチッチッ
ジリジリジリジリジリジリジリジリジリ!!!
時計の針が9時をさし、けたたましい音をたて部屋中に鳴り響く。
ジリジリジリジリジリジリジリジリジリ!!!!!
「う~~ん~……。」
目覚ましの音に目を覚ました秋人は、枕元にてを伸ばしその音を止める。
まだうまく開かない目を手でこすり布団の上に座り直す。下を向けば、まだすやすやと眠っているサイカの姿があった。
秋人は昨日のサイカの言葉を思い出す。
「-僕は君をおいて何処かへ行ったりしない。-」
(嬉しかった………。)
言葉で、態度で示してくれた事が不安で泣きそうだった秋人の心を支えてくれた。たかが夢、それでも秋人にとっては「また一人になるかもしれない」という恐ろしくて辛くてたまらない事で、それをバカにせず、微笑みながら受け止めてくれた事が嬉しくてたまらなかった。
秋人の体にはまだ、抱き締めらていた温もりが残っていて、なんとも言えない幸せな気持ちになる。
(やっぱり好きだな………。)
改めて自分の気持ちを確認した秋人は、いけないと思いながらも想いが溢れてしまい、体が勝手に動く。
「サイカさん……好きです。大好き……。」
ゆっくりと、眠るサイカに顔を寄せる秋人。
しだいにその距離は縮まりサイカの頬に秋人の唇がそっと触れる。
「チュッ……。」
秋人は唇をゆっくり離すと、サイカの艶やかな薄むらさき色の髪を撫でる。
少しして、自分の大胆な行動に少し赤くなったが、今は恥ずかしさよりもサイカが好きだという気持ちが秋人の心を一杯にしていた。
しばらくサイカの髪を堪能した秋人は、白い鳥の事を思い出しちゃぶ台の上を確認する。
白い鳥はまだ眠っているようだった。
秋人はサイカを起こすため、その肩をゆらす。
「サイカさん!朝ですよ!!起きてください!」
「………。」
「サイカさん!!」
「ん~~……。あきとぉ~…?」
「サイカさん!朝ですよ!!起きてください!鳥さんの面倒もみなきゃですよ!!」
寝起きの悪いサイカのタオルケットを無理矢理はぐと、秋人は立ちあがり自分の布団をたたみご飯の準備をするために台所へと向かおうとした。
襖に手をかけたところで、振り替えるとまた眠りにつこうとしているサイカにこう言った。
「今日のご飯は、サイカさんの好きなもの作ってあげますよ!だから早く起きてください!!」
その言葉に、横になろうとしていたサイカはすくっと立ちあがり布団をたたみだす。
「枝豆とツナの入った玉子焼きが食べたいですっ!!」
ウキウキとしながら秋人にリクエストをするサイカに秋人は笑顔で「わかりました!腕によりをかけて作りますね!」
と言って台所へとむかっていった。
サイカは布団を畳終えると急いでその後をおった。
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