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「そういえば!」
秋人は思い出したようにはっとした顔をするとカラスにたずねる。
「カラスさんお腹はすいてない?」
カラスはその言葉に顔をあげると、小さく頷く。
「すいている…。実はのどもカラカラで…。」
なんだか申し訳なさそうに、そう答えたカラスに秋人は明るくこたえる。
「やっぱりそうだよね、!ずっと寝てたもんね!さっきサイカさんとご飯作ったんだ!体調を考えてお粥にしたんだけど、おかず沢山作ったから食べられそうだったら言って!持ってくるから!」
秋人の言葉にカラスは嬉しいそう何度も頷く。
「それはありがたい、ぜひ粥をいただきたい。」
「わかったよ!ちょっと待っててね!今持ってくる!」
スタスタと居間から出ていく秋人をサイカとカラスは見送る。
そして二人きりになるとサイカは口をひらいた。
「優しい子だろう?!信用はしてもらえたかな?」
「あぁ、色々とすまなかった。これから世話になってしまうがよろしくたのむ。」
カラスがサイカにその頭をさげると、サイカはニコリと笑って「こちらこそよろしく」と言った。
二人の間に和やかな空気がただよう。
そんななか、カラスはあることを思い出した青ざめた。
「つくも神殿、、、。」
「ん?どうしたの?」
「俺がここに来てからどれくらい時間がたった…?」
「んー、約一日かな。それが?」
「一日…。」
カラスは青ざめた顔のまま呟く。
「つくも神殿、その間に同族の気配は……。」
サイカはカラスが何を聞きたいのか何となくさとると、「あぁ…。」と言って笑った。
「カラスくん大丈夫だよ。彼らの気配はないし、この神社の敷地内では絶対に見つからないから。それに基本君らの種族は人間界に近づかないだろ?だから大丈夫だよ。」
「それはそうだが……なぜこの神社の敷地内は見つからないのだ?」
「ここの神は、のんびりしたとても優しい人なんだ。だけど曲がったことが嫌いでね、君にそんな傷を負わせた奴らを敷地内に入れはしないだろうし、君を庇ってくれるはずだよ。だから大丈夫。」
「本当か!?それは良かった…。」
カラスが安堵のため息をついたと同時に
居間の襖があく。
「カラスさん!お粥持ってきましたよ!」
ニコニコ笑ってそう言う秋人の手には、おぼんが握られていてそこにのった皿からはフワフワと白い湯気が上がっていた。
カラスの隣にそれを置いた秋人は、お粥をスプーンですくい火傷しないようにと「ふーふー」と息を吹きかけお粥を冷ます。
そして、「あ~ん!」とカラスの口もとに持っていく。
カラスはびっくりして目を見開きながらも、「あぁ……。」と言って口をひらいた。
秋人はきように口にお粥を入れると、首を傾げながら「おいしい?」ときいた。
カラスは、お粥を飲み込むと秋人を真っ直ぐ見つめる。
その瞳はキラキラとしていてなんだかとても嬉しそうだった。
「うまい!こんなにうまい粥はじめてだ!」
「本当に!?良かった!」
「良かったね、秋人。」
カラスの言葉に、秋人は嬉しそうに頬を染めた。そんな秋人にサイカは微笑みかけながら頭をなでた
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