アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
95
-
「変だ…。」
秋人がそう感じているのはサイカ、紅、この二人の事だった。
最近の二人は秋人に隠れてこそこそ何かを話していたり、二人でどこかに行っていたり、突然ファッション雑誌が読んでみたいと言い出したりと何かと変だったのだ。
そして、聞いても「なんでもない」とはぐらかされてしまう。
秋人はモヤモヤしながら机に右の頬をつけて腕を下にだら~んとたらし、だらしない格好で窓の外をぼんやりとながめた。
「絶対なんか隠してる…。」
話にいれてもらえない疎外感から秋人は元気がなく学校では溜め息ばかりはいていた。
「秋人どうした~?最近お前元気ねーけど疲れてんの?」
「確かに元気ないな。」
声のする方向に顔を向けると、そこには篤人とポッキーをもった佑樹が心配そうにこちらを見ていた。
「篤人~、佑樹~。」
秋人は篤人の腰に抱きつくとその腹にグリグリと頭をこすりつけた。
「痛い、痛い。アキそれじみに痛い。」
「ほら秋人、何があったかわかんねーけどポッキー食べて元気だせ!」
まだ顔をグリグリしている秋人の横から、佑樹がポッキーを差し出した。
秋人はグリグリをいったん止め、ポッキーを受け取りポリポリとかじり出す。
「うまい…。」
「良かったな。」
「大丈夫か?元気ねーけど…。」
佑樹はそう言いながらもう一本ポッキーを秋人にわたすと篤人にもわたし、自分もポリポリと食べだした。
自分の事を心配してくれる友人に秋人は自然と心があたたかくなり、微笑んだ。
「ちょっとモヤモヤしてただけだよ、大丈夫!ありがとうな!」
「あぁ。」
「良かった少し元気になったみたいで、明日はいよいよ体育祭だし元気になったらほしかったんだよ。せっかくだからお前らと楽しみたいし!頑張ろうな!」
ニパッと笑う佑樹に、こいつなんでいいヤツなのにモテないんだろなんて考えながら秋人も「そうだな、朝練頑張ったしな!楽しもうな!」と言ってそれからはモヤモヤのことは忘れ、三人で明日の体育祭についてもりあがった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
97 / 242