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すべての授業が終わり、生徒達がそれぞれ帰りの支度をしている。
今日は明日の体育祭に備えて部活がないためいつもより生徒が多く、友達とダベッている者、カラオケに行こうと騒いでいる者、そそくさと帰り支度をしている者で教室内がガヤガヤしていた。
そんな中手早く身支度を終えた秋人は、篤人と佑樹を誘い帰ろうとする。
「篤人、佑樹帰ろう。」
「ん。」
秋人の誘いに返事をしたのは篤人だけだった。
いつも煩いくらい騒がしい佑樹が返事をしないので佑樹の席に目を向けると、何やら探し物をしていた。
「佑樹ど~した?」
声をかけると、佑樹はガサガサと漁っていた鞄から顔をあげ困ったように二人に助けを求める。
「俺の携帯がみつかんね~んだよ…。さっきまでここにあったのに…。」
ここと言いながら机をトントンと叩く佑樹に篤人は冷たくいいはなつ。
「どーせお前がしまったの忘れてんだろ…。」
「ありえる。」
「俺もそう思ってポケットとか鞄とか探しまくってんだけどみつかんね~んだよ…。どっちでもいいから鳴らしてくんない?」
半泣きの佑樹に篤人があきれながら自分の携帯をとりだした。
篤人があきれるのもしかたのないことだった。何故なら佑樹は、しょっちゅう携帯をなくしては探すのを手伝ってと言ってくるのだ、しかもそのなくした携帯はたいがい佑樹のポケットや鞄からでてくる。そのたびに篤人に「ちゃんと探せ!そんでしまったとこを覚えとけ!」と怒られていた。
しかし、今回は違うようでポケットも鞄の中もないと言う。
篤人が佑樹の番号にかけようとしたその時…。
「携帯ってこれのこと?」
「「「えっ?!」」」
突然秋人達の後から声がした。
振り替える三人。そこにいた人物に
佑樹と篤人は「あ、」「あ~!」と少し驚いた声をあげたが秋人は思わず固まってしまった。
「これ、そこに落ちてたんだけど君のじゃない?!」
そう言ってつり目がちな目を細め三人に笑いかけたのは、鈴木先輩だった。
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