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淫魔に出会った時の話。
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相変わらず鳴り続ける携帯に、道を歩きながら対応する。彼女たちのおかげでメールを打つ速度は誰にも負けない自信がある。
勿論、読む時間の短さも。どんなに長文でも一分とかからない。おかげでテストとかでも早読みが出来、時間短縮にも繋がっていた。
そんなうるさい携帯に顔しかめながら横を歩くのは同じサッカー部の雛田翔一。翔一は主将で、俺の幼なじみであり親友だ。
勿論俺の女の子大好き経路もこの状況もずっと見てきたからか慣れたらしいが未だに納得はできないらしい。
「うるせえからマナーモードにしろよ、せめて。」
「翔一がそういうならそうする。」
「普段からしとけ。5秒とも空かず鳴ってんの聞くといらつく。」
翔一の忠告を聞きマナーモードにしてる間にも三通メールが届いた。ああ、俺って愛されてるな。なんて内心で思っていたのがバレたのか、足裏を蹴られた。
サッカー部なので、力加減してあっても脚力は並ではないためとても痛い。
「痛い!ひどい!」
「うっせえ。そのニヤケ顔見たら腹たった。」
眉寄せコーラ飲む翔一に指摘され、頬に手を当ててみる。だって嬉しいからしょうがねーんだもん、と返せばまた蹴られたからこれ以上は黙っておく。
そして、いつもの分かれ道にたどり着けば翔一と別れ、俺は家の方向に向かう。
ふと、喉が渇いた。
もう少し先に自動販売機がある。そこで何か買おう。と、財布を鞄から漁りながら歩く。
目先に自動販売機が見えた。でも、上に何かが乗っている。
よく見ると、自動販売機の上に人が座っていた。しかも超イケメン。多分負けた。
その男と目が合えば、男は驚いた表情をした。驚いたのはこっちだっての。
すると、その男は何を思ったか自動販売機を降りて、歩き出す。心なしかこちらに向かっているような気がする。
すれ違い間際で、ぴたりと男は止まった。そして俺の腕を掴み、引き寄せ、
「見つけた。」
キス、をした。
唇が離れた瞬間、わけがわからなくなりその場にへたり込んだ。今、何された。
男を見上げると、ニヤついた顔をしている。ムカつく、じゃなくて。
「何すんだよ!変態かお前…!」
男にキスをされた事実を拭おうと、唇を手の甲で拭いても先程の感触が忘れられなくてとりあえず行き場のない苛立ちを男にぶつける。
だが男はいたって、飄々と名乗った。
「俺はメアム。種族はインキュバス。お前みてえな器を探していた。」
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