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淫魔に契約させられる話。
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インキュバス。淫魔という名の悪魔。
…なんて、名乗った奴はとても怪しくて、勿論信じることなど皆無だった。
「…は?」
「お前、やたら女に好かれるだろ。」
俺が呆けていることも構わずに話を進める。コイツ、と思ったが一応黙って聞いてみることにした。
とりあえずさっきから握っている携帯は110と打ってあり、通話ボタンを押せばすぐに繋がるようにしてある。こんな変態、通報しないでどうする。
「お前からは異様なフェロモンを察知した。俺は今、そんな奴を探しててよ。だからお前にさっきので、淫魔専用フェロモンを移させてもらった。っつーわけだ。あとは頼んだわ。」
「は?ちょ、おいおい!!待てって!」
散々、意味のわからないことを並べられたかと思えばいきなり放置するとかコイツ何なんだ本当に。
腕を掴んで引き止めれば、ものすごく嫌そうな顔をされた。俺のほうがさっきから嫌なことばっかされてんだよ!そんな顔されるとすっげえ腹立つだろーが!
「意味がわかんねえんだけど。簡単且つ的確に述べろ。」
「さっきので理解しろよ。だから、要するに今よりモテる。」
「ふざけんな。つか、証拠は?まずお前がインキュバスとすら信じてねえんだけど。」
訝しげな目線を送る。すると、ため息を吐いたかと思えばふわりと浮き上がった。
嘘だろ。人間が浮いてる。男、メアムが俺に向かって指を動かす。と、俺も浮き上がった。
「うわっ!!って、浮いてる!?」
「これが人間にできると思うか?」
「…思わねえ。」
「だからさっき言ってたフェロモンもお前に分けた。信じれねえなら明日様子見てみろよ。」
そう言って、メアムは消えた。おかげで俺は急に落とされ、腰を打った。痛い。
服についた泥を払い立ち上がって、周りを見るとさっきまであった自動販売機がない。
あれ、そういえば、
ここに今まで自動販売機なんてあったっけ。
今までなかったのにあった自動販売機。浮いた体。
もしかして。
本当に、インキュバスなのだろうか。
とりあえず人間ではないことは確か、なのかも知れない。
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