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淫魔と契約させられた次の日の話。
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朝、学校へ向かう道中。珍しく携帯が鳴らない。不思議に思い自分からメールしてみれば素っ気ない返事。
もしかしてあの後メールを返していなから怒っているのだろうか。ならば時が経てば収まるか、と携帯を閉じた。
「お前、携帯壊れてんの?」
異変に気づいた翔一は、いつもうるさい位の携帯を不思議そうに見つめている。
俺も段々、異変に気づき始めていた。おかしい。何かが。昨日までであったこと。
メアムとの、一件しか思い当たらない。
だけど、アイツは今よりモテると言い残した。まあ、端からあんまり期待はしていなかったが。
ということは、キスされ損じゃないか、と今更気付いた。最悪だ。
「さあ?昨日返信返さなかったし、愛想つかされたかもな。」
「お前、愛想つかされて飄々してるってどういうことだよ。」
「何人かと関係が切れることなんて今に始まったことじゃないし。どうせまた可愛い子達が現れるし。…まあ、でもちょっと寂しいな。」
いつも思う。関係が途切れるときは大体向こうからだ。
疲れた、私だけを見て欲しい、他に尽くしてくれる人ができた。理由は様々だった。
勿論俺は引き止めたりしない。今まで散々前提でわがままいっていたのだから、別れにまで我が儘は言わない。でも、やっぱり、寂しいものは寂しいのだ。
「…お前、根はいい奴なんだから本当に一人に尽くせば絶対長い間続くぞ。」
「いいんだよ。俺を好きって言ってくれる子は全部受け止めたいから。」
そう言いながら校門をくぐる。因みに男子校だ。中学のときにここに翔一と一緒にスカウトされ、ここに決めた。ここはサッカーの名門校だったから、迷わず受けた。
勿論翔一には女のいない空間で過ごすのかと驚かれたが、俺はサッカーと女の子関係はきっぱり割り切っているつもりだったから後は何も言われなかった。
どっちにしろ練習試合や、大会などで声をかけられることが多いのだから男子校にいようと共学にいようとなんら変わりがないようにも思えた。
それにしても今日はやたらと視線を感じる。
翔一も怪訝そうな顔で、居心地悪そうに呟いた。
「なんかお前したのか。」
「いや、全然、なんにも。」
「じゃあなんでやたらに狙われてる視線を感じんだよ…」
まさにそれだ。狙われている、標的にされている。そんなことを感じさせる視線ばかりだ。
今までなら嫉妬やら妬み、僻みなどの視線が多かったのに。
違和感しかない視線の中、なんとか部室へと向かう。今日は朝練がある。
「あ、おはようございます先輩!」
普段犬を思わせるような健気な後輩、清水良平も今日もいつものように明るく挨拶をしてきた。清水は一年ながら俺と2TOPをしている。元気で明るく、しかも素直で聞き分けがいい。
が、いつもと違う点が一つ。
「今日、寒いっすねー!」
どさくさにまぎれ抱きついてきたのだ。確かにスキンシップの激しい奴だったが、抱きつく、などは今までになかった。
しかもここは部室だ。一斉に部員の視線が集まる。そして、もう一人の後輩が座っていたベンチから立ち上がり、こちらへ向かってきた。
「良平、ずるいですよ。どさくさにまぎれて抱きつくなんて。」
「ふん、悔しかったら京介も抱きつけばいーじゃん!」
そういい腕の力を強める清水。それに一層不満げな雰囲気漂わせるもう一人の後輩、小野京介。こいつも一年ながらレギュラーでMFをしている。中々頭の回るやつで翔一に次ぐ司令塔役だ。
そして清水と小野は正反対の性格ながらも仲は良かった。のに、これはどういう状況だ。
「ちょ、清水離せって。」
「嫌ですー、京介と他の方々に見せつけるんで!」
「良平!」
「は!?」
何だコレ。いつもと様子が違う。そして周りも険悪な雰囲気出すな。
翔一に目線やれば、翔一も何が何だか分からないような表情をしている。というか、助けろ!
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