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部内事情が変化したらしい話。
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ちょっとまって。軽くパニクってる。
後輩二人はこんなに人懐こっかったか?というより、清水はともかく小野なんて精々話すぐらいだし。遊ぶとしても翔一伝いだし。
混乱した状況で、遅れて入ってきた奴か、誰かが後ろからのしかかってきた。
この甘い匂い。これは、多分、
「晴輝!重たい、っつかコイツらをどうにかしてくれ!」
「あれ、良平なんで抱きついてんだよ。離れろ。」
清水は副主将、木川晴輝こと俺のクラスメイトに言われれば渋々ながらも離れた。
寂しそうに、まるで耳を垂れ下げたかのように見える落ち込み方に思わず手がでてしまった。意外とサラサラな黒髪を撫でてやると、嬉しそうに目に見えて顔を明らめる清水。すると、次は小野が不機嫌そうにしたため、初めてだが小野の頭も撫でてみた。
どうやら小野も満足したらしい。
というかどういう状況だ、これ。詳しく説明して欲しい。
それにしても晴輝が重い。これは思いっきり体重をかけられてるみたいだ。首に回った腕をどかそうとする。が、晴輝はそれを緩めることはせずそのまま引き寄せてきた。
「おい、良平に京介。これに、手だすなよ?」
「は?何言って…つか、離せ!!」
「誰が離すかよ。」
そう言って顔を向けられたかと思えば、昨日のメアムとのことがフラッシュバックする行為。―――――キスされた。
「どういうことだよ!!これ!!」
悲痛な叫びを屋上で親友の翔一にぶつける。本当に申し訳ない。
今は一時間目の最中だが、抜け出している。俺も翔一も特待生で、勉強の成績もサッカーの成績もいいので多少やんちゃしても見逃される。
「まず、後輩二人組!あの懐き方はおかしいし、まず急すぎる。」
「そうだな。しかも小野とお前なんて殆ど話さなかったし。」
「それで、晴輝の、晴輝の…!!」
「あれは驚愕したな。アイツノンケじゃなかったのか。」
先程から冷静に分析してくれる翔一。やっぱり持つべきものは友達だろう。
そして、翔一は携帯を見せつけてきた。俺のではなく、翔一の。
携帯の画面はメールで、とあるクラスメイトからのメールだった。内容は、『俺、浅沼のこと好きになったんだけど。』という文から始まっていた。は!?
携帯を奪い、受信フォルダに戻ってみれば同じような文面のメールが十数件。しかも半分ぐらいは俺の後輩や友達だった。
「どういうことだよ、これ…!」
「どうやら、いつの間にかお前は男にモテる体質になったみてえだな。なんか食ったか?」
「食ってねえ!!」
どういうことだ。異様に男にモテるようになってしまった。
これで朝のメールも、視線も納得がいった。俺の体質がおかしくなったらしいからだろう。
『要するに今よりもモテるようになる。』『淫魔専用のフェロモンを移させてもらった。』
ふと頭に浮かんだメアムの言葉。もしかして。
あのキスが原因なのか…!?というより、あのキス以外思い当たる節はない。
やられた。モテる、なんて嘘だろ。詐欺だ。しかも、最初から無理やりだったし!!
どうすれば、あの淫魔に会えるのか。思い立ったが吉日。俺は翔一を置いて、屋上から飛び出た。
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