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なんでよ:狼
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昨日までの幸せは二年の教室手前で全部吹っ飛んだわ。
学校では隠したているオネェ口調。ちゃんと練習したのにどもって仕方が無かった。あー、もう変な目で見られちゃうじゃないっ!
しかも、この道着、黒井くんのじゃないし!
なんかこの白い子怖いし!可愛いけど!
人気のない教室に連れ込まれるし、挙句の果てには
『先輩って...オネェなの?』
テンパりすぎて素で喋ってたわよ。あぁぁああああっ!
「や、あの、これはっ」
『へー、ボク初めて見たや。』
イヤアァアアアアっ、この子確信してるわ!もう覆せないわっ。
「な、なによ!オネェだったらなに?!いけないの!?
黒井くんに話してアタシを近づけさせないようにでもする?
アタシあの子にこれっぽっちも悪意は持ってないわよ!?
ちょーっとお肌の秘密知りたいとか、
帰り道もっと気をつけなさいよ!とか
仲良くなれたらなーとは思うけど!
ていうかアタシ何も悪くなくない!?それ落として帰ったアンタが悪いんじゃないの!アタシ親切にも拾ってあげたのよ!?」
開き直るしかないじゃない。なんか焦って色々わけわかんないことぶちまけちゃってるけど。
『プフッ、はは、あはははっ、待って待って。わかったから。もーいいよ、あは、お腹痛いから!止まって!』
マシンガン並みに色々並べ立ててたら、白い子が爆笑し始めた。
『ちょっと脅して口止めしようと思っただけなんだけど、そうだなぁこうしよっか。』
ちょいちょいっと手招きされて恐る恐る近づいたら、耳元でコソコソっと声がした。
『今度、ボクがあっくんに先輩のこと紹介してあげる。一緒にご飯食べるようにセッティングしてあげるから、このこと黙ってて?』
なんてあざとい声。まぁ、アタシに損はないけど...
「いいの?アタシみたいな彼に近づけて。」
『いいのいいの。ボク先輩のこと気に入ったしー』
いたずらっぽいその笑みには、さっきまで感じていた黒さは無かった。信用しても大丈夫そうね...。
『あ、ボク雪代新也。』
「は、灰澤芳よ。」
『じゃー、カオルちゃんだっ!』
こうしてアタシ達はそれぞれの弱みを握ることになった。
※登場人物に【灰澤芳】を追加しました。
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