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白い美少年
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三限目の授業に出るため、二人は連れ立って屋上をあとにした。二限目の終わるチャイムが鳴り各教室がざわつく。
他生徒に見つかると厄介だからとそそくさと階段を降りていると、チラホラと教室から廊下へと生徒が出てきている。
望はその中に異色を見つけた。なんであんな色が?という髪の色。黒や茶色に紛れて混じり気のない真っ白な頭がこちらを向いた。
『あ、あっく〜んッ!』
白いふわふわの兎みたいな男子が、まさに脱兎のごとくこちらへ向かって走ってくる。
そのまま新夜の腰元にめがけて突っ込んできたその兎の行動に望は目をまん丸にした。
『シン、痛い。』
グリグリと頭を擦り付ける彼を望が固まったまま凝視していると、その視線に気づいた新夜が口を開いた。
『これ、雪代新也。俺の幼なじみで..』
『アルビノの美少年さぁ!』
少年がこちらを見上げてニコリと笑う。新夜に負けず劣らずの可愛らしい顔だが、少年と言わざるを得ない童顔。下手すると女の子に見られそうだ。
灰色と赤の入り混じったようなその瞳と視線が合うと、望は何故か体がビクリと跳ねた。
綺麗なのは綺麗なのだが、なんだか、そう、
自分と同じような含みを持った視線
に背筋がぞわりとする。
『お、おう。あ、オレ黒井と同クラの土屋望。よろしく。』
望は満面の笑みを浮かべながら握手を求めてくる彼の手を握ってゆるく振りながら、なんとも言えない苦笑を浮かべた。
(登場人物に【雪代新也】を追加しました。)
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