アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
*
-
「ねぇ、教えて下さい。どうしたら振り向いてくれると思います?」
阿川はそう言って葛城に迫った。足下が絡み付くと、彼はそこでテーブルをバンと叩いて席から立ちあがった。
「知るか、さっさと食え……!」
「……!?」
阿川は彼がそう言って怒鳴ってくると、顔をキョトンとしなが少し驚いた。そして周りはテーブルの叩く音に振り返ると彼らの方を見てきた。
阿川はその視線に気がつくと、何もなかったような素振りで彼に悪戯することを止めた。葛城は席から立ち上がったまま怒りの表情で睨んだのだった。
「ふふふっ、葛城さんは直ぐそうやってムキになるんだから。本当に困った人だな――」
「何……!?」
「今のは冗談ですよ、貴方を困らせたかったんです。それにこんなところで貴方に悪さするのは、人目につきますしね?」
阿川はそう言って葛城の方をジッと見るとニヤリと笑った。
「っ、お前……!」
「それより葛城さん、席に座って下さい。それじゃあ人目に着きますよ。会社の食堂でも、ここには誰が見ているか解りません。それに社長や専務や常務や取締役の人達に見られたらまずいと思いませんか?」
「ッ……!」
阿川は強かにそう言って話した。葛城は彼のずる賢いところにイラッと来ると、自分の唇を噛んだのだった。そしてムッとした表情で席に座った。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
9 / 106