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きいろは、世間で言う遊び人だった。
女でも男でも構わない。抱いたり抱かれたりした。
きいろは、人に困らなかった。けど、特定の人をつくらなかった。
その代わり、きいろに溺れる人はたくさんいた。きいろと真剣にお付き合いしたいと近寄ってきた人物にきいろは天使の顔で悪魔のようなことを囁くのだ。
「水曜日限定の相手」
曜日ごとにきいろの遊ぶ相手は違った。ドタキャンも当たり前だった。
きいろは、最低なことをしている自覚はあるらしい。けど、やめられないと言っていた。
「みどりは特別だよ。俺のような情欲にまみれた人間とは違う。みどりは俺の唯一の家族だから」
きいろは、俺の気をしらず、俺を特別に置きたがる。俺がきいろに邪な感情を抱いていて、きいろを抱きたいと思っていることを知らずに。
隣のテーブルは、きいろの話題からネイルの話に変わっていた。
と同時に西野も戻ってきた。目元が少し赤い。
「ごめんね、かっこ悪いとこみせちゃって。」
「西野、俺から先輩になにかきいてみるよ。
別れるとか考えないほうがいい。また相談にのるから」
西野は、小さく頷いた。
そのあと、適度に授業やサークルの話をして別れた。
夕方。きいろは今日帰ってくるのだろうか。
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