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変化 1
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日々は流れていく。あれから、緑川は連絡を時折してくるようになった。ステラは、なんだか少し成長したように思うし、きいろの前髪が少し伸びた。どれも小さな変化で気にすることなんてない、些細なことだった。
ある日のお昼頃、俺のスマホが鳴った。母親からだった。美代という名前が表示される。
「もしも「ちょっと、みどり!あんたメールずっと見てなかったでしょ!」ごめん」
母は、弾丸のようにいつものように話だした。
「ほんとにもう!あんたって子はー!なかなか帰省もしないし、連絡もしないし心配してるんだからね!きいろちゃんにも迷惑かけてない?ちゃんとご飯食べさせてる?」
俺の家族はきいろを溺愛している。特に母はきいろLOVEだ。
「きいろなら今学校だよ。なんのようなの」
「そうよ!肝心なこと思い出したわ!きいろちゃんがいない今、あんたに伝えなきゃと思って!」
嫌な予感がなぜかした。胸がそわそわする。
「きいろちゃんのね、お父さん、明後日、出所することが決まったの」
目の前がくらくらした。
「...もうそんな時期になったんだ。きいろにそのことが伝わることはないよね」
「一応、裁判所で、きいろちゃんときいろちゃんのお父さんは接触できないように決められているの。けどね、一度様子を見に行ったら、お父さん、ひどく窶れてらっしゃって。きいろちゃんも大人になったわ、きいろちゃんの意志で会うことは可能よ」
「ダメだ。そんなのあいつがなにするか分かんないのに」
きいろを苦しめたくない。
「みどり、きいろちゃんの意思は尊重しなさいよ。話すことは大事よ。あんたが1番きいろちゃんのこと分かってあげられなきゃ。あなたの口からきいろちゃんに伝えてあげてほしいの。1度、二人で帰ってらっしゃい」
母さんはそう言って電話を切った。
訪れた静寂とは対照的に、胸がドキドキとうるさくなる。
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